2010年12月7日23時1分
金星をまわる軌道に入るためエンジンを逆噴射した後に通信トラブルが起きた金星探査機「あかつき」について、宇宙航空研究開発機構は7日夜、「当初予定された軌道には入っていない。回復が可能なずれか否かは確認中だ」と発表した。あかつきは、緊急時に機体を安定させる「セーフホールドモード」に入っており、位置などの情報を得るのに時間がかかる状態だ。
計画責任者の中村正人教授によると、あかつきの高速通信を回復させようと指令を出したが、探査機が想定の位置になく、指令が届かなかった。ただ、その位置は「逆噴射がされず、とんでもない所にいる状態ではない」という。
宇宙機構は、今後、時間がかかるものの、非常用の低利得(低速)アンテナを使って衛星の情報と位置を確認する方針だ。セーフホールドモードは、今年、地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」も、緊急時に同じモードで切り抜けている。(小宮山亮磨)