厚生労働省が医師臨床研修制度を見直し、指定病院の規模を年間延べ3000人以上の入院患者を診る病院としたため、12年度、県内13院のうち大分健生病院(大分市)などで研修実施ができなくなる。研修の東京、大阪などへの偏りが問題視される中、県は「逆に偏りに拍車をかける」と反発。広瀬勝貞知事名で同省医政局長に改善を求める要望書を送った。
同省は、自公政権下の08年度、「研修医が多様な患者に接することができるように」などと新ルールを創設。基準を満たさない病院は12年度から指定を取り消すことにした。受け入れ実績が3年間ない病院も取り消すことにし、既に別の1院が今年度、募集できない状況に追い込まれている。
年1200~1300人の大分健生病院は、毎年1~2人の研修医を受け入れ、貴重な即戦力にもなっている。同院の江藤崇寛事務長は「研修医1人あたりでは十分な患者に接することができる。画一的な指定取り消しは困る」と困惑。県医療政策課の小嶋浩久課長も「診療所と病院を兼備した健生は研修医側のニーズもある。うまくいっているのだから、現状維持してほしい」と話している。【梅山崇】
毎日新聞 2010年12月7日 地方版