菅直人首相は14日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議閉幕を受けて横浜市内で記者会見し、胡錦濤中国国家主席との13日の首脳会談で、沖縄県・尖閣諸島について「わが国固有の領土であり、この地域に領土問題は存在しないという基本的立場を明確に伝えた」と明らかにした。そのうえで「戦略的互恵関係を進めていくことを確認し、私の就任時の6月(の状況)に戻すことができた」と述べ、日中関係が修復できたとの認識を示した。日本政府は首脳会談の具体的な発言内容の公表を控えている。
首相は会見で日中関係について「国と国が接する地域ではいろいろな問題が今なお多く残っているが、経済的、文化的、人的交流が途絶えているかといえば決してそうではない」と関係改善に意欲を示した。
これに関連し、仙谷由人官房長官は15日午前の記者会見で、13日の日露首脳会談について「平和条約の締結に向けた営みが少々後退した感じだ」と指摘。北方領土問題よりも経済関係強化を先行させたいとのメドベージェフ露大統領の提案について「『はいはい』とはならない」と述べた。【西田進一郎】
毎日新聞 2010年11月15日 東京夕刊