北海道の高橋はるみ知事や千島歯舞諸島居住者連盟の小泉敏夫理事長ら北方四島の返還運動にかかわる団体の役員らが15日夜、首相官邸で菅直人首相や前原誠司外相らと面会し、北方領土返還を目指し強力な外交交渉を推し進めるよう求める要望書を手渡した。1日にロシアのメドベージェフ大統領が北方領土・国後島を訪問したことを受け要望した。
高橋知事は「メドベージェフ大統領の国後訪問で、この問題の環境は激変した。総理の強いリーダーシップで早期解決をお願いします」と要請。
菅首相は、13日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)での日露首脳会談で、メドベージェフ大統領に「そう遠くない時期に、ロシアのどこかを訪れて交渉、協議したい」と伝えたことを明らかにし、北方領土問題を協議するための訪露に意欲を示した。
高橋知事は面会後、記者団に対し「自ら先方に出向いて交渉すると言っていただいて、大変心強く思った」と述べた。
高橋知事らはこれに先立ち、署名計100万人分を携えて、北方領土返還の国会決議採択などを衆参両院に請願した。
毎日新聞 2010年11月16日 北海道朝刊