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北方領土問題:前原外相、2月に訪露意向 視察後表明、交渉打開急ぐ

北方領土の国後島(右奥)を上空から視察する前原誠司外相=北海道根室市で2010年12月4日午前11時11分、海上保安庁航空機内で木葉健二撮影
北方領土の国後島(右奥)を上空から視察する前原誠司外相=北海道根室市で2010年12月4日午前11時11分、海上保安庁航空機内で木葉健二撮影

 <分析>

 前原誠司外相は4日、ロシアのメドベージェフ大統領が11月に北方領土の国後島を訪問後、閣僚として初めて北方領土を視察した。外相は視察後の記者会見で「3日連休になるところを探し、できるだけ早く領土交渉の第2ラウンドをしたい」と述べ、来年2月中旬にもロシアを訪問し、こう着している領土問題の打開に向けロシア側に働きかける意向を示した。ただ、領土交渉を立て直せるかは不透明だ。【西田進一郎、モスクワ大前仁】

 外相は海上保安庁の航空機で上空から視察後、陸路で納沙布岬に移動し陸上から視察。北海道根室市の長谷川俊輔市長から歯舞群島などの説明を受けた。

 その後、元島民や返還運動関係者と面会。外相は「日露関係は極めて重要だと思っているし、両国の信頼関係がなければ領土問題は解決し得ない」と指摘。「ねばり強い交渉も必要」と強調する一方、戦後65年を経ても解決しない現状に懸念を示し「あまりダラダラ長くやっていてもいかがなものか、という思いも強く持っている」と領土交渉を急ぐ姿勢を示した。

 外相は記者会見で「元島民の平均年齢が77歳と聞き、できるだけ早く、しかし足元をしっかり固めて交渉しなくてはいけない」と述べた。一方で「強く当たれば返ってくるものでもない」とも指摘し、戦略に基づいた交渉の必要性を訴えた。

 ◇ロシアは静観装う

 ロシア政府は前原外相の北方領土視察を静観する姿勢だ。タス通信によると、ロシア大統領府筋は4日、「日本人を含めて、誰もがロシア(北方領土)の美しい自然に心を奪われることを禁じられていない」と皮肉を込めるにとどめた。ただ、11月のメドベージェフ大統領の国後島訪問後、ロシアは領土交渉を凍結する構えを示しており、早期の進展は難しい状況だ。

 ロシア外務省は従来、「互いに受け入れ可能な解決方法」を主張して、1956年の日ソ共同宣言に基づく「2島返還」による解決を示唆してきた。

 しかし、同大統領の国後島訪問と日露首脳会談後は、同宣言に基づく交渉を支持するかについて「成り行きを見守る」(外務省のサゾノフ副報道官)と立場を変化させている。

 同大統領は日本政府が「4島の帰属確認」の原則を譲らないことにしびれを切らして国後島訪問を強行。さらに日本による抗議に反発して、領土交渉を凍結する方針へ転じたともみられる。

毎日新聞 2010年12月5日 東京朝刊

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