|
|
ホッとニュース 【12月7日03時27分更新】
石川でも「政府批判」禁止 機関紙寄稿で自衛隊地方協力本部
機関紙は毎年1月発行で、県内の協力団体代表者らの年頭所感を掲載。主に自衛隊協力 者に配られている。 今回、異例の要請があったのは来月1日発行の新年号で、自衛隊石川地方協力本部友の 会の上村彌壽男会長が、同本部からの寄稿依頼を受けた。上村会長は2006(平成18 )年の就任以降、5年連続で所感を寄せている。 上村会長によると11月下旬、同本部の男性職員2人が、上村会長の元へ新年号の寄稿 の内容確認に訪れた。その際、今年1月号に掲載された上村会長の所感は、当時の鳩山政 権に批判的内容が含まれていたことを挙げ、「(新年号では)政府のかじ取りを憂うよう な論調の所感は通達に抵触するおそれがある」と話したという。 職員の説明を聞いた上で、上村会長は「尖閣諸島や北方領土に関し、政府は逃げ腰にな らず国の指針を諸外国に示すべきだとする内容を書く」と伝えた。すると、職員は「政府 や政策批判はやめてもらいたい」と再考を促したという。 上村会長は今月5日、隊員の激励に絞った内容の原稿を同本部に送ったとし「具体的に どう通達に抵触するのか説明はなく、拡大解釈されているようだ」と懸念を示した。 これに対し、自衛隊石川地方協力本部は「(上村会長に)通達の内容を説明したが、所 感の内容に関しては何も触れていない」(広報課)としている。 県防衛協会の角間俊夫会長は「詳しい事情は分からないが、石川地方協力本部は防衛省 の指示に従うしかなく、政府による言論封殺の可能性がある」と述べ、同本部とは「従来 の協力関係が崩れることはない」と話した。 ●防衛省通達問題 防衛省が11月10日、中江公人事務次官名で、同省や自衛隊の幹部 に対し、自衛隊施設での行事に政治的な発言をする者を呼ばないよう通達を出した問題。 同月3日に航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)で開催された航空祭の式典で、地元の自 衛隊協力団体代表者があいさつで菅政権を批判したとの報告を受け、北澤俊美防衛相ら政 務三役が事務当局に対応を指示した。自民党などは憲法に規定された「表現の自由」を侵 害すると批判している。
その他のホッとニュース |