2010年12月7日付 朝日新聞東京本社朝刊から
東京大学医科学研究所付属病院のがんペプチドワクチンの臨床試験に関する朝日新聞の記事中の証言について、「捏造(ねつぞう)と考えられる」などとインターネット上に掲載している団体の代表者らに対し、朝日新聞社は6日、極めて重大な名誉毀損(きそん)であるとして削除などを求める書面を送った。
送付先は、「Captivation Network臨床共同研究施設」の代表世話人を務める医師ら。
朝日新聞は、臨床試験で起きた有害事象が、同種のペプチドを医科研から提供された他施設に伝えられなかったことを報じた10月15日付朝刊の記事に、大学病院関係者の「私たちが知りたかった情報であり、患者にも知らされるべき情報だ。なぜ提供してくれなかったのだろうか」との証言を掲載した。これについて「捏造」などと主張している団体などに対し、記者の取材に応じた関係者が記事の通り述べたことは確たる事実であると申し入れた。