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[ICON]政治家 鈴木けいすけの国政日々雑感

温暖化問題は今や「科学の議論」ではなく「政治的な駆け引き」である

鈴木馨祐

提供:政治家 鈴木けいすけの国政日々雑感

 COP16で日本に対する圧力が高まっているとの見方がされています。これは京都議定書を延長しろと中国等の途上国からの圧力が強まっているということ。

 しかしここで譲歩することは断固として拒否すべきです。さもなければ、わが国の産業だけでなく地球全体の温暖化対策自体が取り返しがつかないことになりかねない。

 温暖化対策でとるべき方向についての詳しい説明は2年ほど前に出版した拙著(『地球温暖化 独裁国家中国の罪』文藝春秋刊:タイトルと違い中身は地球温暖化対策の今後わが国としてとるべき道についての提言です)に書いてありますので詳細は割愛しますが、ここはわが国の国益だけでなく地球全体の今後のために日本は決して譲歩すべきではありません。場合によっては枠組みからの離脱も辞さない覚悟が必要です。人類の将来のためにあえて悪役になることが求められる可能性もある局面であることを肝に銘じておかねばなりません。

 そもそも、地球温暖化の問題。地球全体でどの程度の温室効果ガス排出量に抑制すべきかという議論は「科学」の議論です。しかしその分担をどうすべきか、どのような手法で削減すべきかは「政治」の議論なのです。

 純粋に科学的なアプローチからすれば、原単位方式の絶対値こそが目標にならざるを得ない。今のような総量方式の相対値、しかも1990年比というEUに有利な目標は完全に科学的な正論の逆であり、結果として主要なプレーヤーで一番省エネが早くから進んでほぼ全ての産業のエネルギー効率が世界で最もよい日本だけが負担を引き受けるという不可思議な事態を呼んでいるのです。

 その反省から麻生政権のときに原単位方式へのアプローチ、及び基準年を1990年から2005年に変えるという大きな転換を果たしたわけです。それが鳩山政権の時に1990年比25%という根拠のない発信を世界にしてしまったことで台無しになってしまったという経緯があります。

 繰り返しになりますが、今のCOP16の議論は決して「科学」の議論ではありません。国際政治の国益をかけた「政治」の議論です。それは基準年を見れば EUとて同じ。なるべく悪者にならないようにしながら自らの負担を相対的に最小限に抑える(他に押し付ける)という交渉に過ぎません。

 もしそこで科学的な理想論に自らを絡めるのであれば、それは単なる「お人よし」にすぎない。諸外国は心の中で舌を出しながら拍手喝采をすることでしょう。鳩山演説のときのように。

 残念ながら落選中の身では、このことを直接政権に物申すことは出来ませんが、民主党政権には鳩山政権の時の過ちを繰り返さないよう、妙な妥協をして「いい子」になろうとすることがないよう、出来る限りの方法を使って強く求めていきたいと思います。
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政治家 鈴木けいすけの国政日々雑感

鈴木馨祐

自民党所属/前衆議院議員
小泉チルドレンの一人。83会所属。

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