ここから本文エリア リア充!?@キャンパス 慶応塾生新聞2010年12月07日 ◆似顔絵 プロへの登竜門 慶大の学園祭「三田祭」では例年、ストーリー漫画研究会(通称スト研)による似顔絵が大人気だ。客に語りかけながら下書きをし、色を付けて15分ほどで仕上げる。1人300円と値段もお手頃で、今年も多くの人たちでにぎわった。 11月20〜23日に開催された三田祭。3日目の夕方、スト研に割り当てられたスペースで、1年生部員の松崎明宏さん(19)が、経済学部3年の女子学生、呉輝(ウー・ホイ)さん(26)に穏やかな声で話しかけていた。「どんな色が好きですか」「好きな模様は」 その間も、紙にペンを走らせる手は止まらない。たちまち、くりくりの目が印象的な似顔絵の出来上がり。「少女漫画の主人公になった感じ」。呉さんは笑顔で話した。 呉さんが似顔絵を描いてもらうのは昨年の三田祭に続いて2回目だ。他人にどう見られているのかが気になって、ついつい来てしまうという。 スト研は1980年に創立された公認サークルで、部員数は75人。「大奥」のよしながふみさんや「スクールランブル」の小林尽さんら著名な漫画家がOBやOGに名を連ねる。 三田祭への出展は、学内外に日頃の活動の成果をアピールしながら今後の活動費を確保するため、20年以上前から続けている。 部員らは、夏休みが終わる頃から似顔絵の練習を始める。そのお手本は15年以上受け継がれてきた「似顔絵マニュアル」だ。OBで「中華一番!」の作者の小川悦司さんが在学中に作成した。 マニュアルには、輪郭のとらえ方や年齢に応じた描き方が書かれている。客層の中心となる若い女性は「良い特徴を探し、強調する」。中高年は「少し若めに。はっきりしたしわを描かない」、といった具合だ。 三田祭が3週間後に迫ってくると、部員らは会話の練習もこなす。デッサンを担当しない部員に客を演じてもらい、話しかけながら描く。 入念な準備が功を奏し、今年も待ち時間が最大40分になる大盛況となった。4日間で描いた似顔絵は666枚、売り上げは約20万円にのぼる。この資金をもとに、ますます腕を磨く部員たち。将来、漫画家の夢をかなえる人が再び出てくるかもしれない。
マイタウン東京
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