北朝鮮砲撃:復旧費300億ウォン、政府発表に住民は冷ややか

 全国約20カ所で海上射撃訓練が行われた6日午後、延坪島では家の外へ出た住民がほとんどいなかった。上空では軍の大型ヘリコプターがごう音を立てて旋回していたが、ひとけのない路地では、主人を失った犬たちがえさを求めてうろついていた。

 北朝鮮による砲撃事件が発生してから13日にして、韓国軍が射撃訓練を開始し、緊張に包まれた延坪島の住民たちは、家を守りながら万が一の事態に備えた。先月23日、北朝鮮が韓国軍の射撃訓練に言い掛かりを付け砲撃した記憶が生々しいためだ。住民たちは「延坪島ではないが、近くの大青島で射撃訓練を行うため、安心できる状況ではない」と話した。キム・セヨンさん(71)は、「何が起こるか分からないため、仁川へ避難しようとしたが、波浪注意報が出ているため、船が出航できない」と不安がった。また、キム・ヨンオクさん(69)は、「いざとなったら、すぐに避難所へ駆け込む」と話した。

 一方、砲撃事件が起こった後も延坪島に残っていた住民たちは、「特に変わったことは起こらないだろう」と、いつものように仕事にいそしんだ。

 政府はこの日、延坪島の復旧のために予備費から300億ウォン(約21億7500万円)を計上する、と発表したが、住民たちの反応は芳しくなかった。住民たちは「事件からたった2週間で発表した上、300億ウォンをどう使うのか、具体的な内容がまるでない」と不満を募らせた。

アン・ジュンヨン記者

【ニュース特集】北朝鮮砲撃、緊張高まる韓半島

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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