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大阪府の橋下徹知事(41)は5日、2011年11月にも見込まれる大阪市長選について「僕が出るかどうか今までは(発言を)濁してきたが、あり得る」と、12年2月の任期満了を前にくら替え出馬する可能性に初めて言及した。提唱する「大阪都」構想実現に向けて温めてきたウルトラCプラン。構想に反対する平松邦夫大阪市長(62)との直接対決へ向け、一気に動き始めた。
力強い宣戦布告だった。この日、橋下知事は、大阪・東住吉区で、自身が代表を務める「ローカルパーティ大阪維新の会」が開いたタウンミーティングに出席。参加者から「大阪市長選に出てくれますか?」と質問を受けると「維新の会で府知事、市長(の座)を取らない限り、全く大阪都構想は進みません。今までは濁してきたが、あり得る」と言い放った。
橋下知事は、大阪市解体を軸に府市の二重行政解消を目指す「大阪都」構想を強く打ち出し、これに反対する平松市長と激しく対立。これまで平松降ろしに躍起になり、9月に直接対決した意見交換会では維新の会から候補者を出すことを明言する一方、自身の出馬には言及を避けていた。橋下知事が市長を目指し、読売テレビを9月末に退社したキャスター・辛坊治郎氏(54)が後継知事の有力候補とする一部報道もあった。知事の任期は2012年2月まで。
まずは来春に統一地方選が控えている。維新の会はこの日、新たに公認候補6人を決定した。これまでの1次、2次公認では府議選、大阪市議選、堺市議選で計101人の候補者を擁立。過半数の獲得を目指しており、今後も候補者を増やす方針だ。橋下知事はこの日も「惨敗なら(自宅のある)大阪府豊中市の実家に引きこもって私利私欲に生きる」と政治家としての進退をかける考えを示した。「その時の状況を見て、知事、市長に誰がいいか判断したい。(私が市長に)なりませんとは言いません」。統一選勝利を前提として、市長選出馬に向けた環境が整うかどうか判断する方針だ。
橋下知事に近い関係者は「最近の言動を見れば、自分が乗り出して大阪都を実現させる強い気持ちがうかがえる。おそらく市長選に出るでしょう」と言い切った。
一方の平松市長は、この橋下発言を受けてこの日、大阪・鶴見区でのタウンミーティング後に「いちいち反応するのはやめようと思う。(発言が)いつ変わるか分かりませんし」とコメント。梅田・北ヤードスタジアムに対する考えを急転させるなど“朝令暮改”が多い橋下知事に対し、冷ややかに対応した。自身の再選出馬については「統一地方選が終わったらきちんと申し上げる」と明言を避けたが、今後の両者の対立がさらに激化することは間違いない。
(2010年12月6日10時54分 スポーツ報知)