夏候惇と張遼との一騎打ちは、絶対に折れない刀:絶刀<鉋>が決め手となり、夏候惇の勝利で決着となった。
しかし、否定姫にとっては、ここからが正念場だった。
(さて、絶刀<鉋>は、返してほしいところなんだけど…)
夏候惇の手にした絶刀<鉋>を見つつ、どう切り出したらいいものかと、否定姫は悩んでいた。
なぜなら、四季崎記紀の生み出した刀には、神懸かり的な能力と一緒に、厄介なものが一緒になっていた。
所有すると、人を斬ってみたくなるという刀の毒が―――
もし、迂闊に近づいた場合、刀の毒に侵された夏候惇によって斬り殺される可能性もある。
最悪それだけは避けたいわねと考えあぐねている否定姫だったが…
「春蘭さま~華琳さまが、呼んでいますよ~」
「何!!よし、直ぐに行くぞ!!」
後から夏候惇を迎えにきた許緒が、曹操の名前を出した瞬間、夏候惇は持っていた絶刀<鉋>を投げ捨てると、すぐさま、魏の本陣へともどっていった。
「…うん、否定するまでもなく、都合がいいんだけど、釈然としないわね」
「ま、まあ、気にせんで、ええんとちゃう。ほな、うち、約束通り魏へいってくるわ。蝙蝠ちんのこと、よろしゅうな」
「あ、助けねぇのか。いや、この空気でどうこう出来るほど空気読めないわけじゃねぇけど」
以上、前回の話のオチをつけたところで、恋姫語、はじまり、はじまり。
第14話<洛陽事情>
その後、連合軍が、虎牢関を陥落したことで、目指すは、董卓のいる洛陽を残すのみとなった。
だが、勝利はしたものの、連合軍側の被害も甚大であったため、戦力の立て直しということもあり、虎牢関近辺(虎牢関が半壊状態のため)において三日間の大休止が取られることになった。
そして…
「呂布に勝ったはいいけど、しばらく右腕は使い物にならないわね」
「やっぱりか…すまねぇ。まだ、後があるのに」
「否定する。現時点で於いては上出来よ。董卓軍の最大戦力を倒せたんだから、残りは愛沙や鈴々、星達で十分補えるわ」
汜水関と虎牢関攻略の功労者ともいえる鑢軍の陣内では、呂布との一騎打ちで、右腕を折られた七花の応急処置が施されていた。
骨折自体は、1,2か月もたてば、自然に治るものだったが、次の洛陽での戦には完治するはずもなく、痛々しく右腕に支木を当て、包帯をぴっちりと巻くことになった。
「残すは、いよいよ洛陽ですか…」
「腕がなるのだ~vお兄ちゃんばっかり、良いカッコさせないのだ」
「うむ。して、否定姫殿。洛陽へ偵察に向かった者らは、どこに?」
反董卓連合の戦もいよいよ佳境へと向かう中で、愛沙や鈴々、星ら鑢軍の武官らは、腕の見せ所ということもあり、意気揚々としていた。
が、星から偵察部隊の状況を尋ねられた否定姫、朱里、雛里の文官らは、困惑と不安が綯い交ぜになった表情だった。
「…まだ、戻ってきていないわ。」
「ええ、魏や呉、他のところでも情報を掴めていないそうです」
「やられちゃったのかな?」
「そう見るのが妥当であろうな。曹操や孫権も何も情報を掴んでいないとなると厄介だな」
「はい…今のところ、洛陽の情報を知るすべはないと思います」
「厄介ね。こうも情報不足だと、作戦の立てようもないね」
「じゃあ、さぁ、あの二人に聞いてみるのはどうかな?」
「あの二人…ああ、そういえば、あいつらがいたわね。董卓軍の配下なら何か情報をもってるはずよね。悪くはないわね」
桃香の提案に、否定姫は特に否定する理由もなく、有益な情報を掴んだら、他の連中に高く売りつければいいとも考えた末、呂布と真庭蝙蝠をこの場に呼びつけることにした。
「あいつらって…ああ、呂布のことか。確かに、そうだよな…で、もう一人は?」
「七花君もよく知っている相手よ…もっともお互いに面識はないでしょうけど、会えば分かるわ」
「?」
とここで、それまで蚊帳の外状態だった七花が、もうし訳なさげに、否定姫に質問したが、何か悪だくみを思いついたのか、はたまた気まぐれなのか、七花の質問をはぐらかす形で返した。
「しかし、大丈夫でしょうか?仮にも相手は呂布です。もしも、暴れだしたりしたら…」
「否定する。一応、今のところ、大人しくしてるみたいだし。まだ、七花君の奥義で受けた怪我が治りきっていないのかしらね。それに…」
とここで、万が一の事態になればまずいのではと、愛沙が、呂布と蝙蝠を呼びつけることに疑問を挟むが、否定姫は即座にそれを否定し、自信満々に言い放った。
「いざとなったら、肉体労働派に頑張ってもらうだけよ。私だけじゃ秒殺でしょうしね」
次の瞬間。否定姫の言葉を聞き、一斉に顔をひきつらせ、苦笑いをする一同。
確かに間違ってはいない…なんとも他人まかせであるものの…
とここで、数人の兵士に囲まれて、呂布と真庭蝙蝠が一同の前に引き出された。
「へぇ、あなたが呂布ね。想像してたのより可愛い子じゃない。私が自称:天の御使い仕える巫女…否定姫よ。ああ、それと、蝙蝠も元気そうじゃない」
「そりゃ皮肉かよ…いい加減、鎖外してくれや」
連れてこられた呂布と蝙蝠を目の前に、否定姫は意地の悪い笑みを浮かべながら、軽口を交えつつ、自己紹介をした。
対する、蝙蝠は両手両足を鉄鎖で縛られたまま、皮肉とも取れる否定姫の軽口に対し、苦々しく答える。
が、否定姫と蝙蝠のやり取りを聞いた皆の中で、七花だけは、まるで予想外の相手に出くわしたかのように、えっ?!っと驚きの声を上げた
「な、なぁ、姫さん…蝙蝠って、あのまにわにの蝙蝠なのかよ!!」
「おい、初対面なのに何で、俺の名前を知ってんだ?つうかまにわにって何だよ?」
「ちょっと待てよ。初対面って、どういうことなんだ?確か、俺が殺したはずじゃ…」
まるで、話がかみ合わない。
七花にとって、真庭蝙蝠とは、完成型変体刀12本の蒐集の折に、絶刀<鉋>を賭けて、闘った因縁の相手であり、七花が完成型変体刀12本の蒐集を引き受ける切っ掛けを作った相手でもあり、互いに因縁浅からぬ相手ではあるのだが…
だが、目の前にいる蝙蝠は、自分のことなどまるで知らないという様子だ。
どういうことなのか、首をひねる七花を前に、否定姫はあることを思い出した。
「ん?ああ、そういえば、言ってなかったわね。そいつ、確かにまにわにの蝙蝠だけど…」
「いや、だから、まにわにって…」
「旧将軍が現役で活躍していたころの真庭忍軍…略してまにわにの初代十二頭領の真庭蝙蝠よ」
そう、目の前の蝙蝠が、七花や否定姫のことを知らないのも無理はなかった。
確かに目の間にいるのは、列記とした真庭蝙蝠だった。
ただし、この蝙蝠は、七花のいた現在からはるか昔、まだ日本という国が戦国時代と目された時代、真庭忍軍が初めて十二頭領制度を採用した時に選ばれた十二頭領の一人:初代真庭蝙蝠なのだ。
当然のことながら、あとの時代の人間である七花や否定姫のことを知るはずもなかった。
「…まじ?」
「みてぇだな。つうか、人の組織に勝手に略して、変に可愛いあだ名つけんな」
否定姫の予想外の答えに、七花は半信半疑で思わず目の前にいる蝙蝠に確認をしてみた。
蝙蝠は、事実を肯定しつつ、まにわにというあまりと言えば、あんまりなあだ名に文句をつけた。
とここで、いい加減本題に入りたいのか、否定姫は、はいはいと言いつつ、手をたたきながら、七花と蝙蝠の間に割り込んできた。
「さて、まあ、何で、初代蝙蝠がいるかなんてのは、後々にしておいて…さっそくだけど、あんた達の知っている洛陽と董卓軍の情報を教えてくれないかしら。もちろん、話せる範囲で」
「…構わない」
「どうせ、捕まった身だからな…ま、命の保証はしてくれよな」
否定姫の問いかけに、呂布と蝙蝠は、とりあえず頷いた。
「よろしい。じゃあ、まず、洛陽の残存兵力を教えてもらえるかしら?」
「……沢山」
「うん、そうだよね…間違ってないけど…」
「たくさんとは、また抽象的な…」
あまりに大雑把な答えに、やや呆れる桃香と愛沙だったが、やれやれと見かねたのか、蝙蝠が、言葉足らずの呂布のために補助に入った。
「あ~呂布にそういう難しい質問は勘弁してやってくれ。まあ、正確には2,3万がいいところだな」
「まだ、もうひと勝負やれるくらいの戦力はあるわけね。じゃ、次、そいつ等を指揮している将は誰かしら?」
「…詠」
「詠?」
聞きなれぬ名前に首をかしげる否定姫だったが、ここでも蝙蝠の援護が入った。
名前の割には結構相手支えるのは、うまい男である。
「……賈駆のことだよ。あんたら、聞いたことねぇのか?」
「いえ…聞いたことはないですねー」
「わ、私もです…」
賈駆という名前に、朱里と雛里は互いに首をかしげるが、三国志の知識をある程度知っている否定姫だけは何かを思い出したかのように、首を縦に振った。
賈駆―――字は、文和と名乗り、三国志において、稀代の策士と称された軍師である。
「なるほど…そういえば、最初は董卓のところに仕えていたんだっけ。んで、他には?」
「後は、李儒って野郎がいるぜ。軍師のくせに最前線に出張ってるけどな」
「それって、軍師として、どうかと思うのだ…」
蝙蝠の言葉に、鈴々は呆れながら、苦笑した。
後方から味方を援護し、頭使うはずの軍師が、前線で体を張って戦う…遠い未来の世界で発売されている電脳遊戯或いは某三国志映画じみたなんともいえない光景だ。
「んじゃ、あんた達の総大将:董卓について教えてくれないかしら?」
「月…」
「月?えっと…」
呂布の直球すぎる回答に、またもや、首をかしげる一同―――すぐさま、桃香は、呂布語通訳担当と化した蝙蝠に目を向けた。
「董卓の真名だよ。俺も雇われた時に教えてもらったんだけどな。見ず知らずの奴に、自分の真名を教えるって、お人好しすぎるっての」
「え、お人好しって…董卓さんって、すっごく悪い人のはずじゃ…」
「そうです。我らは悪逆非道の暴君である董卓を…」
やれやれとぼやく様に質問に答えた蝙蝠だったが、一同は思わず首をひねった。
噂では、董卓は、民に重い税を課し、逆らう者は残虐極まりない刑罰でもって粛清する悪逆非道の暴君のはずだが、それがお人好し?
悪人である董卓を討つために、連合に参加した桃香や愛沙は、口々に答えた。
「違う。月は優しい…」
しかし、呂布は、桃香と愛沙の言葉を真っ向から否定した。
どうも、連合側で想像されている董卓の人物像とは、明らかに違うようだ。
「どうも、話が食い違ってるようね。蝙蝠、説明してくれる?」
「俺かよ。普通、呂布に聞くことじゃねぇのかよ」
「つべこべ言わない。呂布よりあんたの方が話が進むからよ」
「たく、面倒だな…」
ぼやきつつも、月―――董卓には何か借りでもあるのか七花たちの知らないある情報を語りだした。
そもそも、董卓は、連合内で噂をされるような苛政を布くような君主ではなく、政争によって荒れ果てた洛陽を復興させるために、尽力し、民たちも平和に暮らしていた。
だが、あるとき謎の白装束の一団が洛陽に現れ、その平和も終わりをつげた。
彼らは、董卓の両親を人質に取ると、逆らおうにも逆らえない董卓を操り、さらには、情報操作によって、董卓を悪人に仕立て上げ、各地の諸候らにさせるように仕向けていたのだ。
「要するに、その白装束の連中は、この戦を引き起こすために、董卓を極悪人に祭り上げて、デマを流したってわけね…朱里、雛里、どう思う?」
「俄かには、信じがたいですけど…でも、ありえない話じゃないと思います」
「私も、朱里ちゃんと同じです」
「でも、どうして、そんな事をするのかな…?」
「何か戦を引き起こして、得があるわけでもねぇのにな」
半信半疑の否定姫だが、朱里と雛里は、一応は蝙蝠の話を信じているようだった。
わけも分からず、どういう事だと、首をかしげる桃香と七花。
実際に考えられることとしては、戦を起こすことで、連合軍に参加した各地の諸候を疲弊させ、攻めやすい状況を作ることや大量に作られるであろう武器や食糧などを売りさばき、富を得るということも考えられるが、推測にしか過ぎず、確たる証拠もない。
「まあ、その話はおいおい考えましょう。憶測や推測だけじゃ当てにできないわ。ま、行けば分かるってことかしらね」
「そうかい…んじゃ、いよいよ俺らも用済みってわけだな」
捨て鉢のように少々皮肉めいた口調で答える蝙蝠。
聞き出せることは聞いた以上、自分達を生かし置く理由はない。
すぐさま、切り捨てられるであろうと、蝙蝠は覚悟を決めていたが…
「否定する。何を勘違いしているか分からないけど、二人とも今後は私たちのところで、徹底的に働かせる予定なのに」
否定姫によってあっさりと却下された挙げ句、強制就職を宣言された。
あまりといえば、あまりの出来事に、呂布や蝙蝠はもちろんのこと、周りの一同も驚きの余り呆気に取られた。
「ぇ?ちょっ、おま…」
「な、何を言っているのですか!!こ奴らはわが軍に多大な被害を出し、ご主人様にけがを負わせた仇敵なんですよ!!」
一瞬、何を言っているのか、或いは聞き間違えたのかと、言葉を詰まらせる蝙蝠だったが、その蝙蝠をさえぎるように、捲くし立てるように愛沙は声を荒げた。
愛沙にしてみれば、否定姫の言葉はたちの悪い冗談にしか聞こえず、もし、本当であるならば、許されることではないといわんばかりの剣幕で否定姫を睨みつけた。
だが、否定姫はすさまじい剣幕で睨みつける愛沙に恐れを抱くこともなく、平然としていた。
「否定する。多大な被害?うちは死者二名に七花君が腕折れた程度よ。むしろ、それだけのことで、優秀な将を拒むあんたを否定する」
「んな!?」
「鈴々は反対じゃないのだ。強いやつが仲間になることは良いことだし」
「そうだな。それに主殿と互角に闘った相手を他勢力に持っていかれる方が問題だと思うが」
「私も反対はしません」
「私も朱里ちゃんと同じ意見です…」
否定姫の一切の肯定も許さない否定ぶりに、歴戦の武将である愛沙も思わず怯むしかなかった。
さらに、鈴々や星、朱里、雛里も意見は違えど、概ね否定姫の意見に賛同していた。
「ってことだけど、七花君と桃香、あんた達はどうしたいの?」
「私は…とりあえず、呂布さんに受け入れるかどうか聞くのが一番だと思うな。こういうのは、やっぱり、本人を無視して決めることじゃないし…」
「…」
鈴々らの意見を一通り聞いた否定姫は、最終決定権を持つ二人の君主―――桃香と七花に最後の意見を求めた。
少しだけ思案した桃香だったが、否定姫の意見に賛成しつつも、呂布と蝙蝠の意思を尊重し、意見をゆだねることにした。
「受けるはずがありません!!いや、仮に受け入れたとしても、信用できるはずがないではないですか!!」
「愛沙。ちょっと悪いけど、黙っててくれねぇか」
「ご主人様!!」
「頼む」
あくまで、蝙蝠と呂布が仲間になることに反対する愛沙だったが、それまで黙っていた七花が愛沙を押しとめる。
それでも、愛沙が咎めるように何かを告げようとするが、七花は静かに抑える。
とここで、今まで自分から話すことがなかった呂布が七花の方に向きなおった。
「…どうして?」
「ん?」
「…どうして、私に惚れたなんて言った?」
「う~ん、俺もうまく説明できねぇけど…見てられねぇからかな」
「何を?」
「昔の俺みたいな生き方してるやつを見るのが」
呂布の問いに、七花は首をひねり、頭をかきながら、少々悩みながら、答えた。
愛沙らは周りにいる者は、どういうことだ?っといったように、怪訝な顔をしたが、否定姫だけは普段の彼女から想像できないほど、憂鬱そうに見ていた。
七花の―――まだ、七花が一振りの刀であったころを知る唯一の人物として。
「…よく分らない」
「俺もだよ。実際、俺の場合、恋でもなく、愛でもないって言われたけどな。でも。、そういうのってのは、理屈じゃねぇから」
「…変な奴。だけど…よく分らないのを分りたい」
「ん?」
呂布には七花の考えていることがよく分らなかった。
七花は、恋しているわけでも、愛している訳でもないのに、自分に惚れたと言ってくれた。
普通なら、邪な気持から来るものだと思うが、どうやらそうではないようだ。
だから、呂布には、七花がどうして、自分に惚れたのかわからない…故に、その理由を知りたくなった、分りたくなった。
それは、今まで、他人に対し無関心だった呂布が、初めて自分から他人を意識しようとした瞬間だったのかもしれない。
「…だから、分らないのを分りたいから、仲間になる」
「…いいのか?」
「…うん。ただ、約束してほしいことがある」
呂布が出した条件は二つ。
一つは、洛陽にある自分の家を壊さないこと、そして、もう一つは、呂布の飼っている数十匹のペットを養うためのお金を出してほしいことだった。
「つうわけんだけど、良いよな、愛沙?」
「…分りました。もう私は何も言いません。私が反対しても無駄でしょうし。私の意見など聞いてくださらないでしょうし…」
申し訳なさそうに七花は、唯一の反対派である愛沙に尋ねた。
対する愛沙も、これ以上反対をしても無駄ということを悟り、口をとがらせて、拗ねつつも、しぶしぶ了承することにした。
「さて、向こうは、無事、話は着いたけど…あんたはどうする、蝙蝠?」
「かまわねぇよ。どのみち、拒否権はねぇみたいだからよ。それに所詮は雇われ忍者。鞍替えなんざ当り前だよ。なあ、後、洛陽にいる相方もさそってもいいよな?」
「もちろんよ。歓迎するわ…裏切らない限りわね」
「…」
仲間になることを歓迎するといいつつ、裏切るなよっときっちりとくぎ刺された。
なんか、俺に恨みでもあるのかよ・・・と、蝙蝠は冷や汗を流しつつ、項垂れた。
……それから三日後、大休止を終えた連合軍は、結局、何の情報もないままに、董卓のいる洛陽に向けて進軍を開始した。
後に、<零崎の争乱>と呼ばれることになる洛陽決戦の開幕が迫っていたようとは、誰も知る由もなかった