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[24723] 【ネタ】悪女ってよばないで(バハムートラグーン 崩壊)
Name: はやーい◆38ea73e0 ID:8ea9ffc1
Date: 2010/12/05 02:47
 上から呼んでも下から呼んでも同じ名前のヨヨです、そんな私にはビュウという素敵な恋人が居ます。この国カーナの戦竜隊隊長なんですよ、凄いですねー。
 この世界オレルスは空に浮かぶ小島ラグーンが連なって国となっています、カーナはその国の一つ。最近はグランベロス帝国が幅を利かせてるそうですが、まぁ今のところ平和そのもの。

 さてカーナの王女である私とビュウ、結ばれるには二人の障害がありました。その一人マテライトは忠臣なんですが、ヨヨ様ーっ!っていつも私の傍に駆け付けてくれるほど。ストーカーじゃないかなー、特にビュウと逢う時には必ず傍にきてクドクド説教。ビュウに。
 マテライトうざい、そう言ったらすんごい目をして泣きながら去っていった。私わるくない。

 もう一人はセンダック、何故かビュウに夢中のお爺さん。ホモなの?って思うくらい夢中、忠臣なんだけどマテライトと同じくうざい。というか私のビュウに近づくな、サラマンダー!焼いちゃって!ビュウが必死に私を止めようとしたけど、ビュウのためなんだよ?結局止められた、ジジイいつか消してやる。ビュウは私が守るんだから!

 サラマンダーというのはビュウの持ち竜でパートナーのような関係だ、私が羨ましがる位いつも一緒に居る。時折、私にチラッチラッ向けてくる視線はビュウは私のパートナーよ!って勝ち誇っているように見える。そんな風に思える私は末期かもしれない、だけど所詮は竜。人と決して結ばれないのよ!物理的に!
 そんな私とサラマンダーでも仲が良いんだから、世の中分からない。

 これは私とビュウが愛を紡ぐ話、そのための布石は打った。まずカーナにある思い出の教会、そこに入った二人は必ず結ばれるという伝説がある。当然私はビュウと一緒に入り愛を誓った、ビュウは最初戸惑ってたけど私が想いを真摯に告げたら応えてくれた。サラマンダーがキュイキュイ!って鳴いてビュウと私を引き離そうとする場面もあったけど、恋する乙女は強いのよ!
 私とサラマンダーに引っ張られるビュウは引きつった顔をしてたけどね、うん些細な問題だ。

 後は私とビュウが大人になって結婚すれば幸せ、そんな風に思っていた10歳の時。

 現在、グランベロス帝国が襲撃してきて大ピンチです。何でも私の力を求めて襲ってきたんだとか、サウザー皇帝死ね。そう呟いた私わるくない、ビュウとの幸せな未来まで後少しだったのに。
 敵国の将軍が私をさらおうとしてきたので、隠しもっていた鉄パイプで彼の頭を不意打ちアタック。崩れる将軍の屍を乗り越えて、私は愛しい人の元へ走りだす。

「ビュウーっ!何処に居るのーっ!」

 背後で「パルパレオスーっ!?」ってサウザーの叫びがしたけど無視、まさかこのドサクサに紛れてサラマンダーがビュウをさらい逃げたんじゃ……いやいや、それはない。ないと思う。
 そんな嫌な予感を振り払うように私は足を速めるのだった。




[24723] 1章
Name: はやーい◆38ea73e0 ID:24c843ea
Date: 2010/12/05 02:45
 カーナが陥落してしまいました、お父さま……お母さま……マテライトによれば二人は無念にも……くっ、グランベロス帝国!私は貴方を許さない。そんな決意をサラマンダーの上で手綱を握るビュウの傍で呟きます、え?無事に合流できたのかって?この通りですよ。
 愛する二人の絆は決して途切れないんです!強く強く結ばれているんですから、それはそれとして。

 何でセンダックが私とは反対のビュウの傍にくっついているの?しかも頬を染めて「ビュウ……つかまっていい?」って、ジジイィィィッ!その台詞とポジションは私のだぁぁっ!
 ビュウも嫌がってるじゃない!でも心優しいからセンダックを受け入れる、この瞬間私は確定した。

 グランベロス帝国に反旗を翻すよりも先にヤルべき事は、ジジイを消す事だと。くすくすくす、センダック貴方は立派な忠臣だったけど私のビュウに手を出したのが運の尽き。
 戦乱中にうっかり流れ弾が当たるよう祈っているわ、うっかりネ?悲しいけど、今は戦争。どんな事故が起こるか分からないの。

 私の思いよ!オレルスの空に、神竜の心に届いて!ドラグナーの力、今こそ!

 センダックは不吉な予感を感じたのかブルッと身を振るわせて、ますますビュウにくっつく。

……。
…………しまったぁぁっ!何か『娘よ、残念だがその願いは私の力を超えているため叶えられない』って厳かな声がしたけど今は無視。ジジイ!ビュウにくっつくなぁぁっ!?

 孤島テード、カーナ陥落に行き場のない私たちはそこに拠点をたてます。マテライトが張り切って「帝国に反撃じゃあーっ!」と叫んでる、それに生き残った兵達も同調。センダックが冷静に今の状況を分析し、これからの対策を立てていた。……悔しいけどこういう時その博識な知識が頼りになる、ビュウに夢中な所がなければ尊敬できるのに。残念だ、とても残念。

 さて私はというと、ビュウを探します。会議の途中で席を立ってドラゴン達の様子を身にいったはず、キョロキョロと周囲を見回していると……

 そこにはサラマンダーとアイスドラゴンに餌をやるビュウの姿と、彼の傍に笑顔で居るメロディア。

 思わず近くに立っていた木をバキイッと鉄パイプで折ります、通り掛かったラッシュ達がビクゥと引いていましたが目に入りません。

「王女の何処にそんなパワーが!?」

「はっ、あれはもしや……」

「何か知ってるの、トゥルース!」

「ええ、噂ですが。王女が持っている鉄パイプ、幾多のドラゴンをキラーしてきた伝説の武器『アイアンラッシュ』!」

「うさんくせぇぇっ!何げに俺の名前が入ってる!?」

「まぁ、嘘ですけど」

「トゥルースゥゥゥッ!」

 ラッシュとトゥルースの火花散らす剣劇に、止めようとするビッケバッケ。そんな光景はスルー、今の私には談笑するビュウとメロディアしか瞳に映らない。

 大丈夫、今更ただの小娘がアプローチしてももう遅い。私たちは思い出の教会で愛を誓ったんだか……ら……?そこで思い出す。帝国のしつこい追っ手から、

「パルパレオス将軍の仇ーっ!」

「いや、死んでないから!?それより、王女を確保しろ!」

 情報ありがとう。パルパレオスって誰?私が撲殺した将軍の名前かしら、そんなどうでもいい事より逃走中にそれが目に入った。

 ボロボロにまるで恨みをぶつけるかのように破壊された、思い出の教会の残骸。

……。
………決めた、ジジイ消すよりも先にグランベロス帝国。特にカーナを滅ぼし私を狙うサウザー皇帝をこの手で死よりもおぞましい苦痛を与えてあげる!!

 よくも私たちの思い出を壊してくれたわね、あの教会でビュウと結婚してカーナを栄えようと決意してたのに。

「ふふふ、サウザーついでにパルパレオス。私の全力全壊を見せてあげる!あーっはっはっはっは……ゴホッ、慣れない高笑いは無理してやらない方がいいわね」

 テードの青空、この空に誓おう。必ず平和を取り戻すことを!

 そんな私を見ていたビュウとメロディアが、二人揃って首を仲良く傾げていた。くっ、可愛いじゃない!でもメロディア、私負けないからね。



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