北海道砂川市が市の土地を神社に無償で使わせていることをめぐり、最高裁判所が憲法違反を認めたうえで審理のやり直しを命じた裁判の判決が、6日、札幌高等裁判所でありました。判決では、砂川市が示した土地を有償で賃貸する方法で、憲法違反の状態は解消されるという判断を示し、神社の撤去を求めた原告の訴えを退けました。
この裁判は、砂川市が市の所有地を「空知太神社」に無償で使わせていることについて、地域の住民が、特定の宗教に便宜を図ることを禁じた憲法に違反するとして、神社の撤去などを求めていたものです。最高裁判所は、ことし1月、憲法違反だという判断を示したうえで、1審と2審が命じた神社の撤去以外にも憲法違反の状態を解消する適切な方法があるとして、審理のやり直しを命じていました。6日の判決で、札幌高裁の末永進裁判長は「土地を賃貸することで憲法違反の状態は解消される」という判断を示しました。そのうえで、最高裁の判断を受けて砂川市が示した氏子から使用料を取って土地を貸し付けるという解決策は「合理的で現実的だ」と述べ、神社の撤去を求めた原告の訴えを退けました。判決について、砂川市は「主張していた解決策を適切に判断してもらえたと考えています」というコメントを出しました。これに対して原告側は「形式的な判決で納得できない。上告するかどうか、これから考えたい」と話しています。