2010年10月8日 21時33分 更新:10月9日 0時25分
政府は12月から「家電エコポイント制度」を段階的に縮小する。12月1日購入分からすべての対象商品で付与するポイントをおおむね半減。来年1月からは家電リサイクル制度を使った買い替えの場合に絞り、対象商品も省エネ性能が最も高い統一省エネラベル「五つ星」に限定する。財源が追いつかず、期限前に打ち切ったエコカー購入補助金を教訓に、経済産業省は「家電エコポイントでは販売現場の混乱や制度終了後の大幅な反動減を避けたい」としている。
ただ、32型・26型薄型テレビの場合、12月からはもらえるポイントが6000点に半減。1月からはテレビを買い足す場合はポイントがもらえなくなるなど消費者への影響は大きく、PRが不足すれば、混乱を招きかねない。
エコポイントは一定の省エネ基準を満たした薄型テレビ、エアコン、冷蔵庫の購入時にポイントを付与する制度で昨年5月に導入された。ポイント1点を1円に換算し商品券などに交換できる。当初は今年末終了予定だったが、景気下支えを狙い来年3月末まで期限が延長された。
薄型テレビなら最大3万6000点がもらえる“大盤振る舞い”の政策に、商戦が過熱。9月の薄型テレビの販売台数は前年同月の1.7倍に拡大した。猛暑でエアコンや冷蔵庫の販売も好調で、当初6000億円あったエコポイントの財源は、今年8月末現在で約2300億円まで減っている。
政府は追加経済対策に770億円のエコポイント財源拡大を盛り込んだが、年末商戦期の12月も現行制度を続ければ、期限より前に財源枯渇の恐れがあった。経産省幹部は制度縮小と財源の上積みで「エコカー補助金の二の舞いになる心配はほぼなくなった」と説明。また、制度開始当初、20万~25万円した薄型テレビ(40型)の店頭価格が最近は10万円を切るなど価格低下が進んだことをあげ「(価格の約1割を想定した)ポイント付与率が今は約3割に上り『気前が良すぎる』との声もある」と制度縮小の妥当性を強調している。【増田博樹、谷多由】