高校ラグビー:27日開幕 常翔啓光など3校優位も混戦か
第88回全国高校ラグビーフットボール大会は27日、東大阪市の近鉄花園ラグビー場で、51代表が参加して開幕する。今春の全国選抜大会優勝の常翔啓光学園(大阪第1)、準優勝の御所工・実(奈良)、2連覇を狙う東福岡(福岡)が一歩リードするが、本命不在の混戦と言えそうだ。国際ラグビー機構(IRB)が今年8月に導入した試験的ルールにどう対処するかも問われる。
常翔啓光学園は、WTB国定、CTB森田の高校日本代表コンビを中心にスピード豊かなバックス展開を見せる。府予選は今一つだった防御をいかに整備するかがカギとなる。
初のAシードで臨む御所工・実は170センチ前後の選手が大半だが、強力FWにも当たり負けない強さがあり、防御は堅い。SO吉井は判断力に優れ、長短自在のキックで試合をコントロールする。
選手の大半が出場した国体を制した東福岡は前回優勝メンバーが多く残る。今年も個々の身体能力が高く、高校日本代表の主将を務めたCTB猿楽は縦への突破が力強い。
6年ぶりにAシードとなった国学院久我山(東京第1)はプロップ石原、松本、黒沢の両CTBを軸に上位を狙う。試合巧者の東海大仰星(大阪第3)はキックが巧みで、試験的ルールへの対応力が高い。FW、バックスのバランスがいい青森北(青森)、重量FWの佐賀工(佐賀)、前回8強の尾道(広島)も上位をうかがう。
ノーシード勢も、防御力が高い京都成章(京都)、FWが強力な東京(東京第2)、バックスに決定力のある長崎北(長崎)、前回4強の桐蔭学園(神奈川)ら実力校が並ぶ。
組み合わせは3回戦まで決まり、1月1日に準々決勝、3日に準決勝の対戦を再抽選する。【井沢真】
(カッコ内は従来のルール)
・パスも含めて自チームが自陣22メートル内に持ち込んだボールを直接タッチにけり出した場合、けった地点に戻ってラインアウト(ボールがタッチラインを横切った地点からラインアウト)
・クイックスローインは自陣側へも投入できる(ゴールラインと平行に投入)
・両チームともラインアウトの構成人数に制限はない(ボール投入側の人数に合わせる)
・防御側は、モールで相手選手の肩から腰の間をつかんで引き倒せる(崩す行為は反則)
・スクラムのオフサイドラインを下げ、SHを除くバックスは、両チームともスクラム最後尾から5メートル下がる(最後尾の線まで出てもよい)
2008年12月