「どうだい。(官邸の威信が地に墜ち)これで無法地帯になったぞ」
嫌がらせに成功し、輿石氏はほくそ笑んでいたという。そして、周囲にこうも語っている。
「参院民主は動かない。批判は官邸に向かい、官邸の完敗だ」
「自民党には、菅と手を握る者はいない。菅は、誰と手を握ればいいのかもわからない」
首相らが奇策に走ろうとしているのは、参院のねじれ解消のため。なのに、その参院のボスが、協力するどころか足を引っ張りまくっている。これではどんな策を弄しようと、政権浮揚はあり得ない。
そして、このような輿石氏らの「倒閣運動」の裏にいるのが誰かと言えば、それは言うまでもない。小沢一郎元幹事長である。
小沢氏は最近、シンパの議員らとの会合を繰り返している。11月19日には、「一新会倶楽部」の1年生議員らと会食し、
「このままでは日本の政治は終わってしまう。いまの民主党の支持率で選挙に雪崩れ込んだら、1年生には厳しい選挙になる。"常在戦場"で行け」
と、活を入れた。検察審査会による起訴議決を受け、強制起訴を待つ身として逼塞しているかのような小沢氏だが、同氏のグループに属する中堅議員の一人は、強気の姿勢を崩さない。
「保守合同を目的にした大連立は、小沢さんが本家。与謝野氏にしろ自民党議員の大部分にしろ、ホンネでは菅や仙谷みたいな素人と組むくらいなら、小沢さんのほうがいいと思っている。彼らと組むのは、行き場所が無い森喜朗元首相や町村信孝元官房長官ら、ロートルだけだろう(笑)」
菅首相は就任時、政権を「奇兵隊内閣」と称し、自らを幕末の革命児・高杉晋作になぞらえた。だが、政権維持に汲々とし、手段を選ばないその姿は、同じ幕末の登場人物でも、むしろ徳川幕府最後の将軍・慶喜に近い。言うことがブレてコロコロ変わり、その変節漢ぶりから「二心殿」などと陰口を叩かれていた慶喜は、そういう意味でも菅首相にソックリだ。
そんな徳川慶喜にも、歴史的には大きな功績がある。理由の半分は徳川家存続のためとは言え、大政奉還を決意し、結果としてその後の革命戦争での流血を最小限に抑えたことだ。
だから、菅首相も慶喜に倣うことを勧めよう。このまま菅政権が続く限り、日本という国家の威信は大きく傷つき、国民生活の出血も止まらない。菅首相が決断すべきは、「平成の大政奉還」だ。もちろん、政権を奉還されるべきは、国民だ。国民に信を問う、つまりは解散・総選挙である。
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