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2010-12-06 内閣改造してやり直すのも手か

_ [てっちん]内閣改造してやり直すのも手か

年末恒例の予算編成が、政府・民主党の司令塔不在で財務省が困惑していると大手紙に出ていた。同省は現在、2011年度税制改革と予算編成作業に懸命。基礎年金や子ども手当の増額、法人税率の引き下げなど重要案件で、各省庁や党の利害が対立して、決断や調整を下す司令塔が必要とされている。

しかし菅首相は決断せず、今年の司令塔として手腕を発揮すると思われていた仙谷官房長官は参院の問責決議可決で身動きがとれなくなっているという。昨年は当時幹事長だった小沢氏が最後の最後になって登場し、アッという間に片付けたということだ。それでは今年はとなると、いまのところだれもいないのが現状で、年内に編成できるかどうかという瀬戸際だという。

それはそうだろう。小沢氏や仙谷氏が手を付けられないとしたら、今の閣僚や党幹部の中に予算編成を仕切る人物はいないはずだ。みこしの上に載っておきたい菅首相はこんな汚れ役はやりたくないであろう。昨年まで万年野党状態だった民主党。若くてはつらつとした議員は多数いるが、閣僚や与党幹部としての経験を積んだ議員は少ない。

予算編成がうまくゆかなかったら、菅政権のダメージは大きい。その後は米軍普天間飛行場の移設、「ねじれ国会」の打開など難問が山積だ。自民党の言うように解散・総選挙か、与党の一部が望む内閣改造か−。どれかでつまずけば菅政権は崩壊する。マスコミの世論調査では、政権支持率は超・低空飛行。閣僚の辞任をはじめ、問責も。加えて、主要ポストの失言も相次ぐ。政権の浮揚策は見当たらない。

ここは一番内閣を改造して出直すべきではなかろうか。もちろん小沢氏側も閣僚に入れて、挙党体制で臨むべきである。政治には「数の論理」が一番重要であるのは言うまでもない。小沢氏を排除して民主党の半分、それに加えて野党を敵に回しながら政治をしても始まらないではないか。今の国内外の情勢の中では、それも多分、長続きはしないと思うが、やってみなければ分からないというものだ。

それにしても最近の国民は時代が悪いせいか、せっかちになっている。戦後間もなくから大半を政権党として過ごしてきた自民党から民主党に切り換えたかと思ったら、1年余りしか経たないのにもう民主党に見切りをつけている。自民党の天下だったころを思いだしてみてほしい。首相には派閥の長が就任、それも主要閣僚を何度も経験した人物だ。主要閣僚も複数回大臣を経験した人が就任する。ピラミッド型の政権の構造だった。それに比べて、今の菅政権は首相や外相は1度大臣を経験しているが、多くの閣僚が初めての経験だ。失言したり、対応が遅れたりすることはあるはずだ。民主党のファンではないが、もう少し長い目で見てやってもいいのではなかろうか。

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