富山のニュース 【9月3日03時12分更新】

コレステロール「高いと長生き」 日本脂質栄養学会の浜崎富山大教授らが新指針

ガイドラインについて説明する浜崎理事長=富大杉谷キャンパス
 日本脂質栄養学会(理事長・浜崎智仁富大和漢医薬学総合研究所教授)の理事らは2日 までに、コレステロール値が高いと総死亡率が低下することなどをまとめた「長寿のため のコレステロールガイドライン」を作成した。高脂血症の要因ともなる高いコレステロー ルは心臓疾患などにつながり危険という従来の定説を覆す指針で、浜崎理事長は「コレス テロール害悪説を考え直す必要がある」としている。

 浜崎理事長によると、多くの医療機関では、動脈硬化性疾患を予防するためコレステロ ールを低下させる治療が行われている。厚生労働省の指針と重なる日本動脈硬化学会の高 脂血症に関するガイドラインで、コレステロールを低く抑える必要が示されているためだ 。

 日本脂質栄養学会の理事らは昨年10月、コレステロールガイドライン策定委員会をつ くり、長年の調査の取りまとめを進めた。ガイドラインによると、コレステロール値と死 亡率の関係について、約2万2千人を約7年間追跡調査した結果、男性、女性ともコレス テロール値が高かった人ほど長生きしていたことが分かった。

 浜崎理事長らは3、4日に愛知県犬山市で開かれる第19回日本脂質栄養学会で、策定 委のガイドラインを会員に提示する。会員の意見を加えて改定し、2011年9月の同学 会で日本脂質栄養学会の指針として発表する予定である。浜崎理事長は「患者にとって必 要な情報をまとめ、無駄な医療をなくすことを目的にしている」と話した。


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