2010/12/04

国会議員に浸透はかる霊感商法の統一教会

 12月4日(土)統一教会が「最後の拠り所」としてキャンペーンに熱心な「拉致・監禁」問題。昨日の集会とデモで配布していたチラシには、相も変わらず後藤隆氏の写真が掲載されていた。警視庁や検察の捜査、さらには検察審査会での審議はその不可解さもふくめて「問題なし」と判断している。捜査関係者は「統一教会はどれほど徹底した捜査が行われたかを知らないんでしょう。だからあくまでもここにすがりつくしかない」と断言している。統一教会といえば霊感商法。人の不幸につけ込んで壺や多宝塔などを不当に高価に売りつけてきた。いまでは風水を利用している。この反社会的団体を公然と支援する国会議員が吉田公一(民主党)、下地幹郎(国民新党幹事長)両氏であることは、昨日「請願書」を受け取ったことでも明らかとなった。いま民主党は議員個人で請願を受付けることはない。「陳情要請対応本部」で処理するからだ。たとえば統一教会系組織から陳情があれば、議員を通じてまずは企業団体委員会に諮られる。そのうえで幹事長室、政策調査会などで検討して陳情を受けるかどうかの結論を出す。そうした手続きは行われていない。吉田公一議員が国会前で「陳情書」を受け取ったのは党内ルール違反なのである。統一教会というよりも政治組織である勝共連合にシンパシーを感じている議員がいることはすでに知られている。こんどの陳情のために勝共連合幹部が自民党議員などに依頼をして歩いていた。しかし「あそこを公然と支援などできないよ」(自民党幹部)というのが本音である。国民新党の亀井静香代表も、電話を通じて統一教会の利益を計る行為はしていても、公然と支援を表明することはできない。民主党にも統一教会ともっと深い付き合いのある国会議員はいる。それでも陳情を受付けることはできないのが現実である。竹島は韓国の領土であると語る文鮮明教祖。天皇陛下役の幹部が文鮮明教祖に拝礼する儀式がある統一教会。こうした宗教を公然と支援する国会議員の行動はこれからも明らかにしていく。

2010/12/03

もう1人の統一教会支援議員ーー宮島大典氏(民主党)

 12月3日(金)昨日のブログでこう書いた。〈12月1日には衆議院第一議員会館で「信教の自由と人権問題を語る」シンポジウムが開かれた。ここには弁護士など約30人が出席。韓国国会議員は日韓でアジア版人権保障制度を創設することを提言。ジャーナリストの室生忠氏も参加、発言をしている。集会の実質は統一教会系「世界日報」(12月2日)が「拉致監禁問題でシンポ」と見出しで書いたように、3日の集会とデモに向けての一連の取り組みである。議員会館の会議室を申し込んだのは民主党衆議院議員(長崎選出)である。これまでにも統一教会系の集会に出席、各種会合に祝電も送っている〉。国会請願を受けた議員が民主党の吉田公一衆院議員、国民新党の下地幹郎幹事長だとは明らかにした。衆議院議員会館の会議室を申し込んだのは長崎4区選出の宮島大典議員だ。霊感商法を続ける反社会的組織を応援する議員としてここに明記する。民主党がいまでは個人として請願を受けられないことは改めて紹介する。

統一教会の請願を受けた吉田公一(民主党)下地幹郎(国民新党)衆院議員

 12月3日(金)午後3時。東京都青少年健全育成条例改正案が表現の自由を規制するものであることは昨日のブログに書いたとおりだ。参議院選挙前、私に反対表明を求めた都議もなぜか賛成するという。「ぶれない」議員が誰かをちゃんと有権者に知らせなければならない。日本雑誌協会として講談社の渡瀬昌彦さん、小学館の坂本隆さん、集英社の木川真希子さん、雑誌協会の渡辺桂志さんが事務所に来訪。条例改正案反対への協力を求められる。昼過ぎに本会議が終わり、臨時国会が閉会した。議員総会の会議室で簡単な打ち上げを終え、1時前に急いで国会前。デモが続いていた。統一教会「偽装」組織による「拉致・監禁」キャンペーンである。正式名称は「守れ!日本の人権・信教の自由」決起集会。主催は「全国拉致監禁・強制改宗被害者の会」。後援は統一教会などだ。衆議院の議員面会所受付けによると請願受付けは政党としては国民新党だけ。日比谷野外音楽堂で訴えたのは、青山丘・国民新党元衆議院議員。国会前で「請願書」を受け取ったのは、民主党の吉田公一衆院議員と下地幹郎衆院議員の公設第2秘書(もう一人は確認中)。吉田氏は8月6日に「信教の自由と人権問題を語るシンポジウム」が憲政記念館で行われたときの会場申込者である。霊感商法をいまでも行う反社会的集団=統一教会を公然と支援する議員の姿が明らかとなった。

統一教会国会請願デモに顔を出す国会議員は誰か

 12月3日(金)臨時国会が終わる。いまから法務委員会、拉致問題特別委員会、予算委員会に出て、本会議は12時から。その時間にちょうど統一教会「偽装」組織による集会とデモが行われる。霊感商法を行っている統一教会はよく知られている。だがそれだけではない。統一教会が「反日」でもあることはあまり知られていない。統一教会の広報局長だった副島嘉和氏は「これが統一教会の秘部だ」(『文藝春秋』84年7月号)で「四大名節」という記念日に早朝5時から行う敬礼式という儀式があると紹介した。この儀式では統一教会幹部が日本の天皇陛下をはじめとする各国元首の身代わりとして文鮮明教祖に拝礼することになっている。こうした韓国中心主義の統一教会であるにも関わらず、日本の国会議員などは選挙運動に便利だと、信者を私設秘書あるいは公設秘書に雇ってきた。そして今日の集会とデモである。統一教会信者によれば請願を受付けるのは国民新党の議員だという。民主党議員や自民党議員に断られた結果である。しかし国民新党は「党として請願を受付けることはない」という。ならば議員個人なのか。午後の国会周辺に注目したい。

2010/12/02

東京都青少年健全育成条例改正案を推進する統一教会

 12月2日(木)午後2時40分。臨時国会が明日で終わる。しかし国会が閉会しても時代の課題が変わるわけでもない。北朝鮮による拉致問題などの資料を読む。東京都が進める「東京都青少年健全育成条例改正案」の問題点については別項で詳しく疑問を述べたとおりだ。統一教会はこの条例を通すべく、ほかの課題とともに12月11日から19日まで、都内の秋葉原、新宿、池袋、世田谷、吉祥寺などで6回のデモを行う予定だ。運動主体は統一教会が1998年から進める「純潔運動」(Pure Love Alliance-Japan)。「拉致・監禁」キャンペーンに「ピュアラブ」運動。相も変わらぬ献金要求などなど、信者を行動に駆り立てるばかりで、考える暇も与えないのが統一教会の現状である。

統一教会系の集会が衆院議員会館で開かれた

 12月2日(木)明日東京で行われる統一教会の集会と国会請願デモに向けていくつかの動きがあった。11月30日、千葉県浦安市にある統一教会の施設「一心特別教育院」で「韓国指導者日本セミナー」が行われている。ここには韓国の現職国会議員3人など30人が参加。「統一教会が日本国民から市民権を得られる唯一の運動」(内部文書)と思い込んでいるが、警察も検察も問題にしない「拉致・監禁」キャンペーンなどが話し合われた。統一教会元会長の小山田秀生UPF(天宙平和連合=統一教会のダミー組織)会長も発言。12月1日には衆議院第一議員会館で「信教の自由と人権問題を語る」シンポジウムが開かれた。ここには弁護士など約30人が出席。韓国国会議員は日韓でアジア版人権保障制度を創設することを提言。ジャーナリストの室生忠氏も参加、発言をしている。集会の実質は統一教会系「世界日報」(12月2日)が「拉致監禁問題でシンポ」と見出しで書いたように、3日の集会とデモに向けての一連の取り組みである。議員会館の会議室を申し込んだのは民主党衆議院議員(長崎選出)である。これまでにも統一教会系の集会に出席、各種会合に祝電も送っている。霊感商法をいまでも行っている反社会的組織である統一教会に賛同、支援する国会議員の行動にはマスコミも強い関心を寄せている。

東京都青少年健全育成条例改正案の問題点 ーー都議会民主党は改正案に反対をーー

2010年6月、東京都青少年健全育成条例の改正案が都議会民主党などの反対で否決されました。それまで政治に直接に関わった事も無い多くの国民や漫画家、小説家などの表現者が反対の声を挙げ、メディアでも注目された結果でした。この改正案が形を変えて再び東京都議会に提出されました。石原慎太郎都知事は「実質的に前と同じ」と記者会見(11月26日)で語っています。

 東京都はわずか半年で新たな改正案を提出し、多くの懸念が寄せらているにも関わらず、充分な審議時間も与えずに、議会に決断を迫ろうとしています。東京都の職員はこの間PTAなどに自ら申し入れ、酷い漫画が野放しであること、その現状に対処するために青少年健全育成条例の改正案が出されたにも関わらず民主党などの反対で否決されたと説明して回りました。

こんどの改正案に対してちばてつやさん、秋元治さんなど著名な漫画家や、漫画家3団体、出版業界、日本ペンクラブ、東京弁護士会、出版労連、自由人権協会などが反対を表明しています。新改正案は文言こそ変えられていますが、3月提出改正案と同じ問題を内包しているからです。
 
 18歳未満の「非実在青少年」について拡大解釈の余地が大きすぎると懸念を生んだ第7条2項は、新改正案では「性的対象として肯定的に描写する」ことに対する規制は確かに無くなりました。しかしこんどの規制対象は全年齢の登場人物が対象となります。「性交及び性交類似行為」に関しては「刑罰法規に触れる」「婚姻を禁止されている近親者間での」と一見規制対象が明確で具体的になったように見えます。しかし「刑罰法規」という言葉は、刑法だけを指すように思われますが、実際は刑法だけでなく条例も含みます。どこからどこまでが「みだら」なのか。恣意的な拡大解釈が行われる前改正案と同種の懸念が生じます。

 物議を醸した「非実在青少年」という文言が削られた代わりに「漫画・アニメーションその他画像(実写を除く)」という文言が加えられました。なぜ実写だけを除くのでしょうか。都議会議員に対し都は「実写は既に規制されているから」と説明しています。

 つまり7条の1で規制されている「性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し」の部分とは別に、規制しなければならない表現が実写に無く、漫画、アニメーション等にはあるということでしょうか。まるで創作物による表現が、青少年にとって実写よりも有害で、悪影響だと言っているように思われます。

 自主規制である第7条2の項目から「強姦等の著しく社会規範に反する性交及び性交類似行為を不当に賛美・誇張するように描写した」表現が対象となる8条の不健全指定ですが、この項目にも問題があります。「強姦等の著しく社会規範に反する性交及び性交類似行為」の文言ですが、強姦は言うまでもなく犯罪です。しかし、社会規範に反する行為となると、倫理や道徳の問題も大きく絡みます。担当者の個人的な倫理や道徳観で規制基準が変わってしまう非常に曖昧な文言だと考えられます。

「不当に賛美し又は誇張」の文言ですが「賛美」はまだ判ります。ここで問題となるのは「誇張」という文言です。ご存知の通り漫画は淡々と同じ抑揚でストーリーが進むわけはなく、大きいコマがあったり、擬音や集中線があったり、見開きでページを丸ごと使ったりすることなど多くの「誇張」表現が使われるものです。映像でも「誇張」表現は沢山あり、作品構成上の重要な手法になっているはずです。性行為に限っているとはいえ「誇張」を理由に表現を規制されてしまうと、創作物による表現そのものが成り立たないのではないでしょうか。

 青少年のインターネット、携帯電話の利用について、フィルタリング機能(有害とされる機能への接続を遮断する)を利用しない保護者に業者を通じた監視が行われる可能性もあります。

 このように問題点を抱えたままの新改正案ですが、改善された部分も多くあります。単純所持禁止に関わる項目、まん延の抑止や、それに向けた活動に対し支援や協力を行う項目など、都議会議員たちが議論を重ね、削らせた部分も多々あります。だからこそ児童の健全育成もふくめた新たな取組みを模索している出版業界と同じく、今後とも多くの都民の意見を聞いて、業界や都民にとって本当に必要な条例案を模索すべきです。

 いま必要なのは、拙速な漫画狩りではなく、現実に被害に遭っている児童の保護やケアに対する施策ではないでしょうか。東京都だけでなく各地でも同様の議論が行われおります。人権擁護法案、児童ポルノ禁止法、青少年有害社会環境対策基本法など、本来の立法趣旨と異なった形での言論・表現を規制する動きは今後も続くでしょう。私はこのような動きに絶えず監視の目を光らせて行きます。

2010/12/01

【補筆版】国会議員に浸透狙う統一教会ーー内部文書を公開する

  12月1日(水)民主党参議院議員総会で「選挙制度改革」について報告があった。1票の格差を是正するのは当然のこと。しかし議論は法的問題を基本としつつ、有権者の立場で検討されなければならない。統一教会信者が組織する「全国拉致監禁・強制改宗被害者の会」(代表は後藤徹氏)が3日に東京・日比谷野外音楽堂で行う集会は、国会請願を目的としたものだ。脱会を求める家族が信者と話し合いを行うことは、警視庁や検察も「問題なし」と判断したにも関わらず、統一教会は「拉致・監禁」だとキャンペーンを行っている。国会請願は民主党議員も自民党議員からも断られた。ところがここに来て国民新党が請願を受ける動きが出てきた。国会前に請願受付け幹部議員が姿を現せば、同党が霊感商法の統一教会を公然と支援することが白日のもとに明らかとなる。ここに統一教会内部文書を公開する。なぜに「拉致・監禁」キャンペーンなのか、その真の目的は何か。それがあからさまに表明されている。

「全国一斉の拉致監禁反対デモ行進は、国進様をはじめとして本部が非常に意識しておられる内容です。統一教会が日本国民から市民権を得られる唯一の運動であります。 今回は東京を中心として、全国21000名が参加することになります。しかも、東京では国会議事堂前を通って、直接政府に訴える重要なデモ行進です。この事が契機となって国会に取り上げられれば、TFの入国の道が開かれます。 このデモ行進に全食口参加して私たちの手でTFの入国を実現し、氏族メシヤ伝道の道を開きましょう」

「今まではマスコミから攻撃を受けてばかりの立場でしたが、今後は、こちらから情報を発信する立場に変えていかなければなりません」

 ここにある「国進様」とは文鮮明教祖の4男。しばしば訪日して献金要求のみならず、彼らがいう「拉致・監禁」問題が検察審査会でも相手にされなかったため「激怒した」という。「TF」とは「真のお父様」という意味であり文鮮明教祖のこと。アメリカで脱税のために実刑判決を受けたため、入管法の規定で日本に入国することができない。日本の信者たちにとって教祖の入国は悲願なのだ。これまでにも安倍晋太郎議員(故人。安倍晋三議員の父)など多くの国会議員に働きかけてきた。

 日比谷集会には日本統一教会会長の上に立つ「全国祝福家庭総連合会」の宋榮錫会長も出席する予定だ。全国で2万1000人(統一教会内部で
「原理数」として意味を持たせている「21」の数字が根拠)が集会とデモに参加するというが、その動員目標はなかなか達成が難しいようだ。東京では3000人、各地でも参加者の目標が割り当てられているが、半数にも達しないところも多い。この問題を取材した「やや日刊カルト新聞」によれば、代表の後藤氏は請願を受付ける国会議員については「当日のお楽しみと言うことで」と答えている。国民新党広報は「そのような事実はありません。仮定のお話にはお答えできません」と答えた。追いつめられた統一教会に協力する国会議員はぜひとも3日には姿を現していただきたい。

2010/11/27

激戦の沖縄県知事選挙ーー伊波洋一候補を支持する

 11月27日(土)明日は沖縄県知事選挙。激戦、接戦。決戦の帰趨は深夜までもつれこみそうだ。私は普天間基地のグアム移転を主張する伊波(いは)洋一候補を一貫して支持してきた。参議院選挙の候補者だったとき、沖縄に向かい、宜野湾市長だった伊波さんから基地の歴史、現状、将来構想を伺った。印象的だったことは、資料をいっさい見ることなく、詳細に説明してくれたことだった。基地の跡地利用についても具体的で、跡地の近くには私が公約の柱のひとつとして訴えた、がん治療に有効な重粒子線治療施設を作ることも盛り込まれていた。「県外移設」を言いながら、辺野古移転に反対しない現職候補とも違う。私はこれまでツイッターで伊波さんの安全保障認識を毎日「つぶやいて」きた。現状を変える意志と構想力を持った伊波洋一さんが当選すれば、民主党政権も大きな影響を受ける。日本が変わらざるをえないということだ。日本が動けばアメリカも変わる。遠く離れた東京の地から伊波候補の支持を再度訴える。

2010/11/24

国民新党をターゲットにする統一教会偽装組織

 11月24日(水)霊感商法などの反社会的行為を続けてきた統一教会が、「全国拉致監禁・強制改宗の会」を立ち上げ、事情を知らない海外などで運動を続けている。8月6日に国会に近い憲政記念館で海外からのゲストや宗教ジャーナリストの室生忠氏などを呼んで「信教の自由と人権問題を語る」シンポジウムが開かれた。憲政記念館は国会議員しか申し込めないから、部外者が使用するときには、議員事務所などに依頼することになる。会場の申込者は民主党衆議院議員であった。運動の象徴である後藤徹氏の事件は検察審査会で「不起訴相当」と議決された。しかしあくまでもこの課題で社会的アピールをするのは、文鮮明教祖の4男の国進氏が「取り組みが弱い」と激怒したからと信者のなかでは言われている。その指示を具体化すべく12月3日午前11時から1時間の予定で「日本の人権を考える」特別集会が東京・日比谷野外音楽堂で行われる。主催は「全国拉致監禁・強制改宗の会」で3500人が集まるという。最大の目的は国会請願だ。そのために国際勝共連合の事務総長などがロビー活動を強化、与野党の議員に働きかけてきた。ところが民主党も自民党も請願を引き受けてくれるものはいない(11月24日現在)。請願を引き受ければ日比谷から国会までデモが行われたとき、道路に面した議員面会所でデモが通過するのをずっと見守っていなければならない。霊感商法=統一教会のフロント組織を公然と応援する議員はなかなかいないのが現実だ。このままでは日比谷屋音で集会を開いても国会にデモをすることができず、労組などが行うコースである常磐橋に向うしかない。そこでいま働きかけを行っているのが国民新党所属の国会議員である。はたして請願を引き受ける議員はいるのか。与野党ふくめて統一教会を公然と支援する議員が姿を現すのかどうか。多くのマスコミが注目している。

伊波洋一さんを支持するーー菅直人首相と普天間移転問題

 菅直人首相と日本酒を酌み交わしながら余人をまじえず3時間ほど話しあったとき、沖縄の普天間飛行場移転問題についても聞いた。菅さんは夏休みに大城立裕さんの小説「琉球処分」(講談社文庫)を読んだ。社民党の照屋寛徳議員は、10月13日の衆院予算委員会で「あの大著を最後まで読破しましたか」と質問、菅さんは「夏休み、少し時間がとれましたので、そのときに文庫本の上下巻を読み終えることができました」と答えている。

 琉球処分とは、1879年に明治政府が巡査や歩兵など600人で首里城に乗り込み、473年も続いた琉球王国を消滅させたことをいう。照屋議員はこの歴史的事実を引いて、普天間飛行場を辺野古に移転する5月28日の日米合意を踏襲する菅政権を「平成の琉球処分」だと批判した。そのやりとりを私に紹介した菅さんは「平成の琉球処分という言い方にはまいったね」と真顔で語った。

 民主党の代表選時、菅さんから普天間移転問題で何度か電話をいただいた。「総理という立場では言えないことがあるんです」と何度も語る菅さんに私は「ニュアンスでも語らなければ伝わりませんよ」と伝えた。普天間飛行場移転について「菅プログラム」があることを知った私はそう言わざるをえなかった。その「ニュアンス」を照屋寛徳議員の予算委員会での質問で語っていたので、ここに速記録を引用する。

「この合意に多くの方が反対であることは承知をしておりますけれども、少なくとも、そこからスタートをした話し合いをしなければ、話し合いの立場があいまいなまま、混乱が一層継続するというふうに考えまして、私としては、五月二十八日の日米合意を踏まえて、そして同時に、負担の軽減に全力を挙げるということを申し上げたつもりです」

「県民の皆さんの反対を踏みにじる形で強引に推し進めることは、やるべきとも思っておりませんし、そういう形でできるとも思ってはおりません」
 
菅さんはオバマ大統領との会談もふくめて「時間」を味方につけようとしている。沖縄県民の負担を軽減するための調査を行っていることも知らされた。県知事選挙が終われば沖縄を訪問し、そこで新知事に提案するのだろう。普天間飛行場の移転先は、アメリカの基地再編戦略に沿ったグアムにあると判断しているはずだ。私はそう判断している。だからこそアメリカの軍事戦略に詳しく、一貫してグアムあるいはテニアンへの移転を主張し、行動してきた伊波洋一候補が県知事選挙で勝たなければならない。菅首相が普天間飛行場移転問題で新たな方向性に踏み出すためにも伊波勝利がどうしても必要なのである。


2010/11/19

【続報】東京第5検察審査会(小沢一郎ケース)疑惑

 11月19日(金)長い予算委員会が終わり、会館に戻ってきた。拉致問題の報告書を今夜中にまとめなければならないので「劉暁波さんのノーベル平和賞を祝う会」に出席することができなくなった。仕方なく「北朝鮮難民救援基金」の加藤博さんに電話をしてファクスで会場にメッセージをお送りした。東京第5検察審査会(小沢一郎ケース)の審査員について最高裁判所から回答がきた。「起訴相当」とした第1回の議決(4月27日)の男女比は、男7人、女4人、第2回議決(9月14日)は男5人、女6人だったという。「本当にそうか」と再確認したところ、「改めて確認した」との返事だった。2回とも平均年齢が34・55歳。会議録を何とか公開させることはできないものか。しかし最高裁回答を仮に本当だとすれば、抽選ソフトに問題があったのではないかとの疑惑が出てくる。その課題は森ゆうこ議員が追及しているところだ。さらに調査する。

2010/11/16

【改訂版】小沢一郎ケースーー検察審査会から回答が来た

  11月16日(火)和歌山県知事選挙の応援から戻って議員会館。第5東京検察審査会の議決(小沢一郎ケース)について、法務委員会で質問したとき、2回とも平均年齢が34・55歳とは「統計的にはありえない」と質した。裁判員制度では辞退率が51・5%と公表されている。では検察審査会あるいは第5東京検察審査会の小沢ケースではどうかとも訊ねたのだが、「承知していない」と最高裁判所長官代理は答弁した。その疑問に対してさきほど回答が寄せられた。1回目の起訴議決に参加した11人は平成21年度2群(有権者から任意で選ばれた100人から審査員、補充員それぞれ6人を抽選。計12人)、平成22年度1群(同それぞれ5人の計10人)。辞退率は22%と40%。つまり78人と60人で抽選をしたという。2回目の議決は平成22年度2群と3群。辞退率はそれぞれ33%と29%だった。ここでは67人と71人で抽選したことになる。第5東京検察審査会の抽選は、これで明らかとなったが、果たして選ばれた審査員が会議に出席したかどうかはこれまた不明のままだ。正式に審査員に選ばれた者全員が審査会に出ているとは限らない。その場合には補充員が代わりに出席すると説明を受けたからだ。いったい何人で議決が行われたのか。やはり法律(検察審査会法第28条)に定められた議事録が公開されないと疑問は解決しない。ところが東京第1検察審査会の課長は「議事録といったものはつけておりません。会議の実施日時や参加者を記録する会議録ならありますが……」と答えている(「週刊プレイボーイ」11月15日号)。しかも審査員の間で何が話し合われたかも残っていないというのだ。まずは議決時に何人の出席があったのかを改めて質問する。

2010/11/15

横田めぐみさん拉致から33年にあたって

 11月15日(月)33年前の「この日」夕刻。新潟で13歳の中学生だった横田めぐみさんがバドミントン部のクラブ活動を終えて学校から帰るとき、自宅まであと50メートルという場所で北朝鮮工作員によって拉致された。めぐみさんはいま46歳。私が就職のために京都から上京したのも77年。それから33年のいままで紆余曲折さまざまな経験をしてきた。振り返れば短くもあるが長い時間の変転。しかしどんな環境にあろうと、自分の意志で行動することができた。めぐみさんは自由な人生を強制的に奪われ、思春期、青年期を経ていまなお北朝鮮のいずこかにいる。13日に横浜市磯子区の杉田劇場で「横田夫妻を励ます会」があった。太田正孝市議の御尽力で、高世仁さんの講演も行われ、私も思いを語り、横田滋さん、早紀江さんも訴えた。早紀江さんの話で驚いた。めぐみさんが拉致され、招待所で暮らしていたとき、1年後に拉致された曽我ひとみさんが連れられてきた。2人は北朝鮮の歴史と国語、物理、算数などを教えられたという。2人はあるとき布団のなかで小声で拉致されたときのことを語りあう。めぐみさんは自宅まであと少しという曲がり角まで来たとき、物陰に隠れていた男に襲われた。それが北朝鮮の工作員だったのか、あるいは日本にいる支援者だったのかは不明だ。曽我さんはとてもそこまで聞けなかったと早紀江さんに語った。工作船に乗せられためぐみさんは爪がはがれるほど泣き叫び、救出を求めた……。早紀江さんは「そこに溺れている人がいればたとえ自分が泳げなくても必死で助けようとする」のが人間だと訴えた。拉致問題解決は人権の課題なのだ。北朝鮮はめぐみさんが自殺したと主張している。あとの7人も死亡というが、実はそうでもないだろうことを私は知っている。だからこそ政府が本気で交渉しなければならないのだ。菅直人首相や小沢一郎さんともこの課題の解決のための方向性を語り合った。横田滋さん、早紀江さんは「私たちには時間がないんです」と語る。そう、時間がないのだ。解決への道筋はある。

2010/11/13

「議員の反論は外まで聞こえてきた」だって?

 11月13日(土)昨日は本会後が終わってから政治改革推進本部の総会に出た。テーマはインターネット選挙の解禁や議員歳費の1割削減など。賛否両論というよりも反対論が多かった。議員定数の削減が野党の反対などが強く難しいから、まずは歳費削減をという論理が施行部の提案だ。プロセスがおかしい。公約実現のために全力を尽し、その結果として新しい提案をすべきなのに、まずはマスコミ辞令で議員も知らないうちに新方針が報じられる。消費税しかりTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)しかり。まずは民主的手続を経なければ反対論は高まるばかりだ。この議論を報じた「朝日」記事は「非公開の室内で思い思いに口を開いた議員の反論は外まで聞こえてきた」などとしらっと書いている。私は所要があり最後まで議論を聞くことなく部屋を出た。そこに見たのは立ったまま、あるいはしゃがみこんで壁や空気孔のような隙間に耳を押し当てて内部の声を聞いている記者の姿だった。取材においてそれが普通のことだとは知っている。しかし「議員の反論は外まで聞こえてきた」という表現では現場の状況を正確に描いたことにはならない。厳しい反対論が続出したことを表わしたい気持ちはわかるが、表現としては違和感を感じた。「聞こえてきた」のではなく「聞き耳を立てた」のだから。そうは書けないから微笑ましくもあるのだが。菅政権は大波の連続だ。普天間問題、尖閣問題、北方領土問題、検察問題などなど。これほどの難問がいっきょに押し寄せた政権は珍しいのではないか。政治が国民の運命を担っている以上批判は受忍しなければならない。しかし難問打開の課題はすべての政治家の仕事でもある。ただただ攻撃の舌鋒を鋭くするだけでは何も解決しない。

2010/11/11

「人魚の嘆き」(神保町)8周年を祝う

 101111_194901 11月11日(木)明日は本会議。もう寝なくては。しかし記録すべきことがある。今晩は神保町に開店して8年目になる「人魚の嘆き」のお祝いが学士会館で行われた。元編集者の松本彩子さんが東京堂書店の近くに店を出してから、あっという間に文壇バーに育っていった。その松本さんの誕生日でもある。中上健次さんなどが通った文壇バーといえばたいてい新宿界隈だから「人魚の嘆き」は界隈では唯一といっていいだろう。私はもう1年以上顔を出していないが、御案内をいただいたので出席した。司会は丸山真男研究で知られる苅部直さん。久しぶりに茂木健一郎さんと握手したことには理由があった。われらが先輩の佐野眞一さん、素敵な表現者の高山文彦さんとも久しぶりで、みなさんと不義理の数々。20代から交流ある「Insideline」編集長の歳川隆雄さんからは政界のディープ情報を教えてもらった。分子生物学者の福岡伸一さんとは四方山話。乾杯の音頭は「キョンキョン」こと小泉今日子さん。そのあとビックリは1928年の無声映画で活動弁士が実演。さらに小津安二郎さんの映画(「東京物語」だったか)を使っての「人魚の嘆き」物語。言葉で表現できないのがもどかしい。『酔醒漫録』を出してくれた「にんげん出版」の小林健治さん、解放出版の多井みゆきさんたちとも懇談。俳句の会で先日もご一緒した吉田類さん、坂崎重盛さんもいらした。そうして懐しい方々との交流から離れてひとり「ボン・ヴィバン」で食事。ちあきなおみの「紅い花」を流してもらう。こんな夜に心に染みる。どうやら店を出たあとに吉田類さんが来店したようだ。

足利事件周辺の新情報を聞く

 11月11日(木)法務委員会に出席。午後は行政監視委員会を傍聴。民主党の風間直樹議員が「文藝春秋」の足利事件キャンペーンを取り上げたからだ。この問題は同誌に書かれているようにいずれ委員会で質問するために私も現場取材や関係者からの調査を重ねてきた。はたして当局が何と答えるかという視点で傍聴。足利事件の菅家利和さんを有罪に導いたMCT118法。このDNA鑑定で有罪判決が確定したのは8人という法務副大臣の答弁が新しかった。さっそく事件の内容、量刑などを問い合わせることにした。警察庁の科学警察研究所によると、平成3年から15年までに地方をふくめて141件の鑑定が行われたとの答弁もあった。傍聴に来ていた日本テレビの清水潔さんと参議院議員会館の喫茶店で打ち合わせ。

2010/11/09

北朝鮮 ーー 政治犯収容所の驚くべき実体

 11月9日(火)衆議院の第2議員会館。民主党の北朝鮮難民と人道問題についての議連で、政治犯収容所で13歳から28年暮らしたキム・ヘスクさんの話を聞いた。大規模な収容所は6か所。そこに20万人が収容されているが、最近は脱北者が強制送還されているため、30万人ぐらいに増えているという。キムさんが収容されたのは連座制。収容所には学校もあり、そこでは国語と算数が教えられるが、あとは労働が課せられる。キムさんは17歳から31歳まで採炭工として働いた。トウモロコシの配給が減ったときには、向かいの収容所から盗んだ者が公開処刑されたそうだ。97年から2000年にかけては月に7回から8回もの処刑が行われたという。キムさんはいったん中国に脱出、しかし北朝鮮に戻ったとき逮捕。再び中国に脱出、09年3月に韓国へ。キムさんの話では飢餓がひどいときには、精神に異常をきたし、子どもを食べる母親まで出たそうだ。拉致もまたこの人権蹂躙思想が根っ子にある。北朝鮮の人権状態と拉致問題はつながっているのだ。集会には「ザ・ワイド」でもご一緒した「Daily NK」の高英起さん再会。

2010/11/08

検察審査会の奇々怪々(2)

 11月8日(月)午後まで国会図書館で資料を読み込む。2時からは森ゆうこ議員の部屋で検察審査会の「くじ」の再現。パソコンソフトの保守点検を行う業者と最高裁関係者が出席。有権者100人から審査員(5人)と補充員(5人)を決める時間はほんの数秒。検察審査会にはフロッピーあるいはCDで選管から人口に比例して無作為で選んだ20歳以上の名簿が送られてくる。毎年のはじめに1年分400人が選ばれ、それをもとに100人づつにわける。そこから10人を決めるのだ。最高裁が依頼した業者(毎年入札で決まる)が100人に通知書を配送する。質問にコールセンターが答えるシステムもある。審査員を受けるかどうかの返事は検察事務局が受ける。10人が決まって辞退者が出れば追加補充員が再びくじで決められる。くじには判事と検事が立ち会うが、どこでくじをするかは決まっていない。会議室など「どこか」で行われるのだという。10人の審査員が決まってもその人が出席するかどうかはわからない。そのときには補充員が出席するから、選任されたときと議決が行われるときの平均年齢は異なる。東京第5検察審査会で2回とも平均年齢が34・55歳とは「数学的にありえない」(芳沢光雄・桜美林大学教授に聞いたコメント)。何しろ辞退者がどれだけいるか明らかにされないから、選任の母数はわからないままくじが行われている。したがって恣意的な議決が行われたとしても闇に隠されたままなのである。3時から5時まで「チームS」の検討会。川添由香子秘書と小野卓也秘書も参加。この問題は解決まで追及していく。

2010/11/04

本音の菅直人首相答弁ー「私もそうしたいんです」

 11月4日(木)本会議が終わった。「官僚の書いた答弁書をそのまま読むな」との質問に菅直人首相は「私もそうしたいんです」と答えて議場がざわめく。答弁漏れがないように、しかも質問内容が遅くになってしかわからないからだと説明。TPPについての与野党の質問には歯切れの悪い答弁だった。菅首相の答弁時にはいつものように野次が飛び交う。「首相失格」「あなたがやめる以外にないんだよ」「いいとこどりするなよ」「ボー読みするな」「中身のない答弁をするな」……。こんな国会を見ていれば、玉石混交ではあるのだが、既成政治への不満と批判としてアナーキーな心情が広がるばかりではないか。民主党の舟山康江議員が「決算重視の参議院」として与野党を超えて議論し、予算編成に決算結果を反映させるべきと述べたことは正論だ。「国会よ蘇れ」と思う議員もきっと多いことだろう。

フォトアルバム

2010年12月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近の記事

最近のトラックバック