2010年12月6日15時3分
コンサートなどの支出伝票のコピー。2009年4月25日の支出伝票には「『ミューザ川崎シンフォニーホール』を行政の箱物にしないために今年度も強い意志を持って視察する」と太字で書かれている
川崎市議会議員の一人が、2008年度からの2年間に87回のクラシック音楽のコンサートや能のため、計約55万円の政務調査費を使ったことが分かった。地元の市民団体は「市は『音楽のまち』を掲げており、コンサートを見るのも議員の仕事のうちだが、回数が多すぎる」と批判。一方、市議は「あくまでも市のホール運営に必要な視察」と反論している。
この市議は、前議長の鏑木茂哉(かぶらき・しげや)市議(62)=自民。同市議の政務調査費に関する支出伝票、領収書などによると、駐車場代だけを政務調査費から支出した「招待」の7回を含む87回のうち60回はJR川崎駅前にある市の施設・ミューザ川崎シンフォニーホールで開かれた演奏会。1回の最高額は08年11月に同ホールであったベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートで4万円を計上している。
また、09年5月には同ホールをフランチャイズにする東京交響楽団のソロ・コンサートマスターの公演を長野県軽井沢町まで1万5千円をかけて聴きに行った。計約55万円には交通費や駐車場代も含まれる。
川崎市民らで構成する市民団体「政務調査費改革かながわ見張番」は08年度の政務調査費に対する住民監査請求で、鏑木市議のコンサート代の4分の3を私的活動だと主張。しかし、市監査委員は今年5月、別の市議が印紙代を二重計上したことなどは違法と判断した一方で、鏑木市議については理由を明示しないまま違法性を認定しなかった。
鏑木市議は「ミューザ川崎は市が(運営費として)年間約8億円出している。議場で予算も決算も含めてかかわる我々が、ホールの運営や(演奏の)響き、客層がどうなのか見もしないのがおかしい」と説明する。