成長が早く病気に強い、遺伝子組み換え魚の開発が進んでいる。生産性は期待できるが、環境問題への影響が懸念される。
米国企業が申請しているある魚の販売許可の行方を、世界の養殖業者が注目している。米国のアクアバウンティ・テクノロジーズ社(アクア社)が、タイセイヨウサケにマスノスケの遺伝子を移植することによって、通常の半分の期間で成魚となる遺伝子組み換え(GM)魚を開発した。
現在、連邦食品医薬品局(FDA)が、販売許可を検討中だ。許可が下りれば、世界で初めて食用GM動物が販売されることになり、中国など世界各国で、GM魚の商品化が進められるだろう。
FDAはGM魚を食用にした際の安全性については問題視していないが、GM魚が流出した際の環境への影響を理由に判断を先に延ばしている。
アクア社は流出を防ぐために、養殖場を沿岸部に網を張る方法ではなく、陸の水槽に設置している。そして、卵の孵ふ化かや生育はパナマの近海で行っている。
暖かい海でサケは生き残れないからだ。しかし、同社が利益を出すには受精卵を他社に売る必要がある。購入した業者が、安全な養殖場を設置するかどうかはわからない。
天然魚にわずかなGM魚でも交雑してしまうと、魚の群れが死滅し得るという実験結果もある。アクア社はGM魚を不妊化しているが、その精度は100%ではない。
世界で行われている養殖魚の遺伝子組み換え国名種名遺伝子操作の内容米国米国米国中国キューバタイセイヨウサケニジマスアメリカナマズコイハイブリッドティラピアマスノスケの成長ホルモン遺伝子の導入マスノスケの成長ホルモン遺伝子の導入カイコガの抗菌ペプチドの遺伝子の導入ソウギョの成長ホルモン遺伝子の導入ティラピアの成長ホルモン遺伝子の導入
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