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時評コラム

花岡信昭の「我々の国家はどこに向かっているのか」

迫り来る「ジャパン・ナッシング」の悪夢

「国際社会で尊敬される国家」になれない日本

 小沢氏の大訪中団や天皇陛下と中国国家副主席との「特例会見」に象徴されているように、中国に対しては最大限の配慮を尽くす。どうやら、米国との関係はぎりぎりまで険しくなっても最後の場面でリスク・マネジメントが働くが、日中間にはそういう機能が働かないという認識が強いようだ。

 だが、対米認識がそこまで甘くていいのかどうか。インド洋からの海上自衛隊補給部隊の撤退は、「国際テロとの戦い」から日本だけが逃げ出した印象を与えている。ハイチの地震被害に対しても、日本の救援隊派遣はいかにも対応が遅い。

 湾岸戦争で130億ドルを拠出しながら、クウエートが戦後に米紙に出した感謝広告には各国の国旗が並んでいる中に日の丸だけがなかった。国際社会で尊敬される国家となるための要件に思いが至らない。普天間基地問題は、あの当時の日本と基本的な体質になんら変化がないことを意味するものだ。

花岡信昭氏のコラム「我々の国家はどこに向かっているのか」は、09年5月7日まで「SAFETY JAPAN」サイトにて公開して参りましたが、09年5月13日より、掲載媒体が「nikkeiBPnet」に変更になりました。今後ともよろしくお願いいたします。また、花岡氏の過去の記事は、今後ともSAFETY JAPANにて購読できますので、よろしくご愛読ください。
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花岡 信昭(はなおか・のぶあき)
花岡 信昭 1946年長野市生まれ。69年早大政経学部政治学科卒、産経新聞東京本社入社。社会部を経て政治部。政治部次長、政治部長(日本の新聞社で戦後生まれの政治部長第1号)、編集局次長、論説副委員長などを歴任。2002年産経新聞退社、評論活動に入る。2007年産経新聞客員編集委員。現職は拓殖大学大学院教授(地方政治行政研究科)、国士舘大学大学院講師(政治学研究科)。政治ジャーナリストとしていち早くインターネットに注目、自身のブログメルマガで活発に独自の政治分析を発信している。
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