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時評コラム

花岡信昭の「我々の国家はどこに向かっているのか」

迫り来る「ジャパン・ナッシング」の悪夢

日本外し、「第2のニクソン・ショック」の可能性

 米国から聞こえてくるのは、対日不信の声ばかりである。それも侮りに近いニュアンスだ。オバマ政権の政治基盤が揺らいでいるだけに、「そんな日本につきあっていられるか」といった調子である。

 このまま進行すると、第2のニクソン・ショックが起きても不思議ではない(注:第1は1971年のニクソン訪中宣言)。日本は相手にならないとばかりに、米中、米朝の関係正常化を日本の頭越しでやってしまおうという動きである。ジャパン・ナッシング、ジャパン・パッシングといわれた状況の再現だ。

 鳩山政権の事実上の最高権力者である小沢幹事長には、「グランドキャニオンには観光客が落ちないようにという柵がない」として、自立した個人を基礎とする自己責任原則が徹底している米国を称賛する認識もあった。他方で、竹下政権の官房副長官時代に米国に乗り込んで日米通信摩擦を解決した経験から、「アメリカ、恐るるに足りず」という思いもあるようだ。

 そういう認識が鳩山首相に伝わり、発言がころころと変わる「軽い首相」といわれるような「資質」が手伝って、今日の事態を招いたのかどうか。

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