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時評コラム

花岡信昭の「我々の国家はどこに向かっているのか」

迫り来る「ジャパン・ナッシング」の悪夢

「普天間」存続でも米国は別に困らない

 十数年来の協議を経て、自民党政権時代には辺野古移設のV字型滑走路案で日米合意ができ上がっていた。若干、沖合に移動させて騒音をさらに軽減するかどうかが残されていた程度であった。

 だから、鳩山政権もこの日米合意を重視して、巧みにその流れに乗っていたら、こんなことにはならなかったのである。

 鳩山首相は5月末までに結論を出すと言明している。名護市長選でこういう結果が出た以上、これはどう考えても無理である。なにやら20年前の状況に戻してしまったかのようだ。

 決まらなければ、普天間基地がそのまま残るだけである。米側とすれば、軍の運用上はそれでもかまわないということだろう。海兵隊のグアム移転も先送りすればいい。日本側への不信感が一気に強まり、日米安保体制に重大な亀裂が生じることになるが、日本政府の不始末が招いたのだから、米側は平然としていればいい。

 5月末にキャンプ・シュワブ沿岸部への現行案で決着させようとすれば、鳩山首相、岡田外相、北沢防衛相が責任を取って辞任し、沖縄側の了解を引き出すといった政治決着以外には考えられない。

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