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時評コラム

花岡信昭の「我々の国家はどこに向かっているのか」

迫り来る「ジャパン・ナッシング」の悪夢

2010年1月28日

日本の外交・安全保障の根幹を揺るがす

 鳩山政権は、内に「鳩山・小沢政治資金問題」、外に「普天間移設問題」という厄介な難問を抱え、発足から4カ月にして苦境にあえいでいるかのようだ。自民党が国民に分かりやすい確固とした反転攻勢の態勢を築けず、政党支持率も横ばいという状況だから、かろうじて助けられているといっていい。

 政治資金問題は東京地検による小沢幹事長への聴取が行われて、あとは検察の出方を注視する以外にない。これは「内向き」の話だから、手っ取り早くいってしまえば、鳩山、小沢両氏の進退問題が今後の最大の焦点という次元の話だ。そうなれば政局に多大な影響を及ぼすのは必至だが、いわば国内だけで処理できる。

 それに比べて、普天間基地の移設問題は日米関係に直結し、日本の外交、安全保障の根幹を揺るがす話である。国際政治の舞台で、日本がどういう位置づけで見られるようになるのかが試されるテーマだ。このコラムのタイトルにある「この国の行方」にかかわる重大事である。

 政治資金問題を軽視するわけではないが、ことの性質がまったく違うことだけは意識しておきたい。

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