仙谷由人官房長官は3日午前の記者会見で、官房長官と法相を兼務している自身の進退について「特に官房長官との関係で(兼務は)多忙を極める」と述べ、官房長官を辞任して兼務の法相に専念する可能性に言及した。ただこの後、仙谷氏は「(長官、法相とも)両方大事なので両方頑張る」と国会内で記者団に述べた。
野党側が問責決議可決を受けながら官房長官続投の意向を示していることに反発を強めている中、仙谷氏の発言は波紋を広げそうだ。この発言に関し、仙谷氏周辺は「官房長官辞任を言ったものではない」と辞任を否定した。
菅直人首相は来年1月の通常国会開会までに改造の是非を最終判断する考えで、改造論議にも影響を与えそうだ。
仙谷氏は「法務行政が抱える問題は大きくて深い。方向性を持って一つ一つ実現していく決意に燃えている」と法相の責務の重要性を強調。その上で「今のところめどはない。法相に専念せよという話になるかも分からないし、任命権者である首相の意思(次第)だ」と述べ、最終判断は首相に委ねられているとの認識を示した。
自民、公明両党は「問責決議を受けた閣僚との質疑には応じられない」として、来年の通常国会で仙谷氏と馬淵澄夫国土交通相が閣僚として出席する審議には応じない構え。自民党の逢沢一郎国対委員長は3日、仙谷氏の発言について「閣僚を辞任すべきだ。法と正義をつかさどる法務行政を適切に行えるとは思えない」と批判した。
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