嘘つき男に罪はあれど相談者に罪はなし...遠隔操作で遠方の知人のPCをメンテナンスする
埼玉某所(○郷と吉○の間辺り)に住んでる友達(仮にKとする)から「みやびちんに頼みが...」と連絡がありまして。どうも歯切れが悪いものの本当に困ってる様子でしたので、車で迎えに来てくれるなら...と新宿で待ち合わせ(仕事帰りだったので)しまして。
車中でなにがあったかを聞いたところ、どうにも...なんというか。いい加減にしないさいよ...という話でして。
そもそもの発端は2年前の冬。
Kと共通の友人にI君という好青年がいまして。まぁ、スポーツマンだわイケメンだわ...それでいて性格も非常にいいという、リア充爆発しろまぁあんまり見かけない人物なんですね。
私はあまりつきあいはなかったんですが、このKを通じて何度か顔は合わせてました。で、当時I君がパソコンを購入したいということになりまして...一緒に秋葉原ヨドバシカメラに行ったんですね。時に歳末大売り出し。ダイナブックの量販店モデルが結構安い金額で売っていました。
スペックを見てもそう悪くなく、彼の用途は撮影した写真の編集とかミクシィをやりたいとか、ごくごく一般的な用途。このスペックならむしろオーバースペックだよね(笑)なんて言って、その場で購入してお持ち帰りしまして。設定もまぁサービスでしてあげて、インターネットにも無事つながったと。
これはまぁ2年前の話。その後I君は大学の時の同級生と一発必中していわゆる出来ちゃった婚をすることに。若くして婿養子の道へと進みました。まぁ、男としての責任を取ります!と言って彼女の家に行った時、先方の出した条件が家を継いで欲しいということだったので、見事に男を見せたわけですが...
彼が婿に行ったのは滋賀県。一応見送りには参加しましたが、接点といえばそのぐらいでした。
前置きが長くなりましたが、そんな前提があります。
で。
こともあろうにKの馬鹿は(この際だから馬鹿と言ってしまう)。
「あ、パソコン壊れたの? あ、だいじょぶだいじょぶ。ほら、パソコン買った時のやつ...そうそうみやびちんみやびちん。あいつ今でも俺のマブだからさー、修理ぐらいタダでしてくれってる。ほんとほんと」(当人の証言より)
などと言っていたらしく。ご丁寧にこのブログもI君に教えて、アピールしていたということで。
たいしたブログではないんですが、それなりにあるPCの話なんかを読んでいたI君はすっかりその気になって、壊れたPCをKの自宅へと郵送してきちゃったらしいんですね。
で、困り果てたのはK。実際、私とKはそれほど親密な付き合いでもなんでもなく。メールのやりとりもほぼしてないし、電話だって一年で数回程度。そんな間柄なわけで。
そりゃあ歯切れは悪いわな(苦笑)
とはいえ、I君は結構な好青年で私も感じいいやつだな...と思っていたものですし、ちょうどKの家に着く直前ぐらいにI君からAmazonの悪魔あてにメールが届きまして。パソコン送ったんで、よろしくお願いします...とのメールはとても丁寧で。携帯からのそのメールに...私は頭を抱えるしかなく。
とりあえずI君に罪はありませんし、本当に困ってるんだろうな...ということで、罰としてKの携帯からI君に電話しました。まぁ、iphoneからiphoneへの電話ですから実際は電話代かかってないんでしょうけれど。
一応一通り届いたPCをチェックしたところ、確かに起動するとWindowsの画面はかなりおかしいことに。というか、デスクトップアイコンも含めてファイルが破損してる感じ。いろいろ調べてから、I君に電話しました。
「もしもしー、久しぶりー。パソコン見たよー。メモリかハードディスクかわかんないけど、基板壊れてないっぽいし直せそうだよー」
『あ、そーですかー。でも新しいの買っちゃったんですよねー。7搭載のやつ~』
「そっかー」
『壊れてんでしょー? あげますよそれ。Vistaだし、もう古いでしょ? みやびさんならなおせるんじゃない?』
「直せるかもねー」
『じゃ、それでいいっスよ。あー...でもちょっと困ったことが~』
「どーした?」
『ネットはパソコン買った時にヤマダ電機でやってもらったんスけどー...メールとかそのパソコンにしかなくて~』
「あー...ちょっと待って、一回切ってもっかいかけるねー」
...一応こんな時のたしなみとしてX61sと外付けHDD等々の道具は持参していたので、再度ダイナブックと向き合います。30分ほど診断しましたが...
1.メモリは1Gが一枚刺さっているが、これを違うのにすると画面がおかしかったのはある程度直った。
2.けど、Windowsが正常でないのは変わらない。一応起動はするがVistaの挙動は相当あやしい。
という状態。ただ、サルベージは出来そうだったので、その場で「デスクトップ」「マイドキュメント」「メール」をバックアップします。メールはいったんX61sに移行して、OE(Outlook Express)に書き戻します。で、VISTAから引っこ抜いた情報(パスワード等)を再設定。送受信出来るようにしてから、Windows Liveメールに移行しておきます。
サルベージしたはいいんですが、相手は遠く滋賀県。このままではどうにもなりません。そこで、オンラインストレージを活用することにしました。今回使用したのはSkydrive。どうせならマイクロソフトのサービスで試してみたかったから(笑)
一応サルベージしたファイルをパスワード付きで圧縮し、いくつかのファイルに分けます。
それらをSkydriveの私のアカウントでアップロードします。25Gも使えるという話ですが、一応念のために小さく分けます。元のデータ容量がそれでも2G程度しかなかったので、今回は10分割としました。
そして、logmeinのアカウントを取ります。リモートデスクトップがよかったんですが、今からルーター同士のVPNとか決行面倒くさいですし、相手に設定させるのも面倒。ここは慣れているlogmeinを使用しました。
で、I君に改めて電話しましてlogmeinをインストールさせます。電話で聞いている限り、結構スムーズに行ったようです。
こちらはその間にブラウザからlogmeinにアクセスします。このソフト、ブラウザベースを介して使用するリモートデスクトップだと思ってくれればよいかと。今回使用したのは自前のX61sのfirefox。I君の作業完了を待ってアクセス...よし、見えた!!
そう、これでI君の買ったばかりのノートは東京から遠隔操作出来ます。レスポンスが快適...とまでは行きませんでしたが、十分以上の効果が。
これを使ってさっきSkydriveにアップロードしたデータをI君のPCにダウンロード。分割したファイルをユーティリティで戻し(これもリモートでダウンして使用)、PC上に戻します。メールはLiveメールの設定をするだけ。
これで彼が送ってきたPCに入っていたデータはある程度復旧出来ました。遠隔地から無料ツールを使用し、相手のスキルが低くても多少の指示を出すだけでなんとかここまでこぎ着けたわけで。
『うぉぉぉぉすごいよ! 本当にデータ入ってるよ! XXX子見てごらんよすごいよこれ!』
...電話の向こうでははしゃぐI君と嫁の声。多少苦労はしましたが、サポートした甲斐があったというものです。
その間にダイナブックのメンテもしてまして、リカバリー領域が吸い出せましたから、別HDDに復旧することで直せそうなめどがついてました。そのことを伝えると...
『Vistaだしいらないよ~。今使ってるパソコンの方が(たぶんWidows7のこと)使いやすいし。でもほんとに直せるんだな〜すごいや。ブログは嘘じゃないんだねえ。あ、部屋せまいしVistaだし、いいよそれあげますよー』
...どんだけ嫌われてるんだ、Vista。
そして買って二年でパソコンが廃棄される現実。3年保証とか入ってないと、修理費も安くないですしね...OSも変わってるし、余裕があるなら買ってしまうのもいいでしょう。もったいない気もしますが、まぁタイミングもタイミングでしたしね。
データを確認したもらったところ「全部復活出来なくてもいいよー。かんっぜんにあきらめてました! 新婚旅行の写真とか全部入ってるのわかったからもうホント、大感激です」とのことで。そこまで喜んでいただければこっちも甲斐があったというもので。では、ありがたくダイナブックはいただくとしましょう。
と、顛末としてはそんな感じなんですが。
が。
ことはこれで終わらない。
冒頭で嘘つき男として私にターゲットされたKは、この作業中ずーーーーーーーっと私に説教されてました(笑)
そりゃあもう罵詈雑言なんか吐きもしない。ひたすら嘘はいけないとか...人間としてどうだ...とか...まぁ、かなりうざったい説教をずーっと(笑)
今回 I 君はパソコンが壊れて困っていた。それはしょうがない。にしても、あまり親しくない人(私ですね)を捕まえて、自分が頼めばタダでやってくれるよと豪語したり、あまつさえ勝手にパソコンを受け取ろうとしていたり。
たいした故障じゃないとたかをくくって、うまくいったらパソコン一台せしめようとしていたのを説教の最中に吐かせまして。まぁその考えがさらに許せなかったんですが、まぁそれがゆえにI君は「結果として」望んだ以上の成果を手に入れたわけですし...私もまぁ遠隔操作で他人のPCをどうにかメンテナンス出来るな、という自信もついたので。
30分の土下座+イヤミのような説教攻勢で勘弁しました(実際ずーっと玄関のコンクリートで土下座させてた私も鬼かもしれませんが、このぐらいで許すのはむしろありえない寛大さだと思うぐらいで)。嘘つきも程度によりますが今回はひどいと思うので。
自宅まで車で送ってくれるというので、乗せてもらうことにしました。荷物も重かったですし。そして私の自宅につくまでの間、彼は再びずーっと説教されていたわけで。多少は懲りてくれたんじゃないかと。
一応車中から電話でKの先輩にあたる人に罪状を伝え、今晩は酒を飲みながら人生について教えてやるわーという返事も頂いたので、引き継ぐことにしました。彼はこれで懲りてくれるんだろうか...だめかなぁ。人はそう簡単には...でも、ちょっとずつでも直してくれればな。
ともかく遠隔操作ソフトとオンラインストレージがあれば、相手が新しいパソコンを購入していたとして...そのPCにもメンテナンスをしてあげることが出来る...というのが確立出来たので今回は収穫はあったかな...と思います。
※企業では当たり前の「リモートでのメンテナンス」。最近は回線を引くときのサポートなどにも入ってますし、わりとポピュラーになってきました。けれど、見知らぬ人や遠隔地の人にユーティリティをいれてもらってサポートしたい時。企業で使っているようなソフトは使えませんし、相手にインストールさせるのにも抵抗があるかもしれません。
今回使用した方法なら、後はlogmeinだけアンインストールしてもらえばいいですし、今後サポートするならそのままにしとけばいいわけですから、結構便利です。本格的に使うならPro版の方がいいですが、今回のような使い方をするならフリー版でも十分使えます。
まぁ、こんな風にサポートスキルを磨いてどうするんだよ...という突っ込みはあるんですが...せめて2chとかで酷い目にあってるのを書き込んでいる人達の笑いのネタぐらいになればいいかな...と。どのスレかは書きませんが(笑)
知人のPCを組んだり無料サポートしたり...はやっぱり大変なので避けるのがベターだと思いますよ...私も(^^;
あとは...
この手元に残ったダイナブックどうしようかな...(苦笑)
「蘇るVISTAノート...所有者に捨てられたPCを復活せよ」
に続きます。