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黄砂飛来、空気中のカビや細菌5倍に 金沢大調査

2010年12月2日14時0分

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 黄砂が飛んで来ている時には、空気に含まれるカビや細菌などの微生物が、黄砂がない時の5倍多いことが、金沢大グループの調査でわかった。種類も通常時とは異なっていて、黄砂とともに中国大陸から渡ってくるとみられている。黄砂は肺の病気やアレルギー発作などに影響する可能性が指摘されており、グループは採集条件を変えて詳しく調べる。

 グループは黄砂が来た2008年5月と、来ていなかった09年4月に、石川県珠洲市の上空約800メートルの空気中から微生物の破片を採集。遺伝子を手がかりに比べたら、黄砂時には約5倍の濃度で微生物がいた。確認できた種類は、黄砂時に20種余り。来ていない時に見つかった9種とはすべて別のものだった。

 黄砂の影響を巡っては、京都大などのグループが小児ぜんそくの発作の危険性が高くなると報告。筑波大などのグループは、黄砂に口蹄疫(こうていえき)ウイルスの遺伝子が含まれる可能性があると警告している。

 グループの岩坂泰信・金沢大特任教授(大気物理学)は「空気中の微生物の濃度が、生態系や健康への影響と関連しているか調べたい」と話している。

 気象庁によると、黄砂は東アジア内陸部の砂漠から飛来し、00〜09年度の10年間の黄砂の観測日は平均31.7日。4月を中心に3〜5月が多いが、今年は珍しく11月にも飛来している。(木村俊介)

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