菅改造内閣として初めて臨んだ第176臨時国会は3日、閉会した。参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」を反映し、政府の新規提出法案の成立率は55・0%と極めて低い水準。野党は問責決議を受けた仙谷由人官房長官ら2閣僚が辞任しない限り来年1月の通常国会の召集手続きに応じない構えを見せている。引き続き小沢一郎民主党元代表の国会招致を求め、政治とカネ問題を追及する方針で、菅政権にとって厳しい政権運営が続く。
自民党の逢沢一郎国対委員長は3日の記者会見で、仙谷氏が辞任しない場合、官房長官が通常国会召集日を伝える衆院議院運営委員会や同理事会の出席を拒否する考えを表明した。
3日は(1)国会議員の歳費を日割り支給に変更する関連法(2)改正障害者自立支援法(3)原発施設立地地域振興特別措置法の期限を10年延長する改正同法(4)生物多様性保全のための活動促進法―が成立した。
証券取引等監視委員会委員長への佐渡賢一元福岡高検検事長再任など政府が今国会に提示した15機関48人の人事も衆参両院の本会議で同意。自民、公明、みんなの党3党は衆院本会議で、問責決議を受けた仙谷氏らの所管分の採決を欠席した。
朝鮮半島由来の「朝鮮王室儀軌」などを韓国に引き渡す日韓図書協定や、郵政改革法案、労働者派遣法改正案、地域主権改革関連3法案、自民党提出の財政健全化責任法案は継続審議となった。
今国会では2010年度補正予算は成立したものの、政府が新規に提出した20法案のうち成立したのは11本。展覧会美術品損害補償法案など衆院を通過しながら参院で採決に至らなかった法案や条約は13本に上った。
みんなの党が参院提出した岡崎トミ子国家公安委員長の問責決議案も採決されず廃案になった。議会開設120年の記念式典での発言などをめぐり与野党がそれぞれ提出した民主党の中井洽衆院予算委員長と自民党の逢沢一郎国対委員長への懲罰動議はいずれも衆院懲罰委員会に付託されないままだった。
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