政府・民主党は3日、今月中に閣議決定する新たな防衛計画大綱(防衛大綱)について、焦点の武器輸出三原則の見直しは明記しない方向で調整に入った。来年1月召集の通常国会を乗り切るためには、三原則見直しに慎重な公明、社民両党への配慮が必要と判断。玄葉光一郎民主党政調会長が6日の常任幹事会で、明記見送りを前提に、党内論議の継続を表明する方針だ。
民主党は先に武器輸出三原則見直しを盛り込んだ提言案をまとめた。しかし、同党幹部は3日、「(見直しの)方向性はいいが、防衛大綱とは直接関係がない。今は打ち出す時期ではない」と指摘。政府筋も「明記は難しい」と述べた。
臨時国会で仙谷由人官房長官らの問責決議が可決されたことなどを受け、政府・民主党は通常国会で、野党のうち公明党や社民党との連携を目指す考えだ。
しかし、社民党の福島瑞穂党首は、三原則を見直した場合、2011年度予算案への反対も辞さない考えを表明。また公明党幹部も3日、「拙速な緩和はよくない」と慎重な考えを示した。政府・民主党としては、国会戦略上、大綱への明記を見送らざるを得ないとの判断に傾いたとみられる。
[時事通信社]