さいたま市の国道で昨年8月、無免許で酒気を帯びた状態で乗用車を運転し5人を死傷させたとして、危険運転致死傷罪などに問われた同市中央区の土木作業員の少年(19)の裁判員裁判が27日、さいたま地裁(大谷吉史裁判長)で行われ、検察側は懲役5年以上10年以下の不定期刑を求刑した。判決は28日。
検察側は論告求刑で、「被告の運転技量は未熟で、公道での運転が危険と認識していたはず」と指摘。危険運転致死傷罪の適用を主張した。弁護側は「被告には運転経験があり、これまで無事故」と述べ、危険運転致死傷罪より法定刑の軽い自動車運転過失致死傷罪の適用を主張した。
死亡した植木康成ちゃん(当時4歳)の母理枝子さん(38)が被害者参加人として意見陳述に立ち、「康成は(事故の)翌日に補助輪を外した自転車の練習をするはずだった」と涙ながらに語り「同様の犠牲者を生まないためにも厳しい処分を」と述べた。【平川昌範】
毎日新聞 2010年4月28日 地方版