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【プロ野球】ヤクルト身売り騒動 球団社長も“相手”も否定2010年12月5日 紙面から
ヤクルトに4日、身売り騒動が巻き起こった。インターネット広告会社のサイバーエージェントに対して球団売却を検討していると、この日、一部で報じられた。これを受け、報道陣が球団やサイバーエージェントの幹部のところに押し寄せるドタバタ騒動に発展、最終的には両者とも「事実無根」と否定した。ただ、球団経営を取り巻く環境が厳しいのも事実。10月に横浜が住生活グループへの売却交渉を行ったが、まとまらなかった。 ヤクルトは、球団売却報道を即座に否定した。この日は朝から報道陣が球団幹部の自宅に押し寄せる騒ぎに。さいたま市内にある鈴木正球団社長兼オーナー代行宅にも、早朝から報道陣が多数集結。インターホンを鳴らすたびに鈴木社長が説明に追われた。 鈴木社長は、普段は自宅での取材には応じない方針だが、「きょうは特別に応じます」と対応。そして「身売りの考えはサラサラない。不愉快です。球団は、ヤクルトグループのシンボルですから」と否定。早朝から堀澄也オーナーとも連絡を取り、堀オーナーも報道に怒っていた事実を明かした。 球団経営が厳しいという現実はある。観客動員は2001年に186万人(1試合平均2万6571人)を記録したが、今年は約50万人減の133万2928人(同1万8513人)。収入の柱だった巨人戦の放送権料の低下を受け02年に初めて赤字に転落して以降、選手年俸の高騰もあり、赤字幅は年々膨らんでいる。今季の赤字は20億円弱の見通しだ。 それでも鈴木社長は、ヤクルト本社の財務内容に言及。昨年度の純利益は132億円だったといい、「本社の決算報告を見てもわかるように経営状況はいい」と語り、売却を否定。報道した新聞社に対して謝罪と訂正を求めたことも明らかにした。 東京都内に住む堀オーナーは、インターホンの呼びかけに応じることはなかったが、球団を通じて「今回の一部報道に関して事実関係は一切ありません。来年もヤクルト球団として優勝に向けて、本社の全面協力を受け頑張っていきたい」とコメントした。 (後藤慎一) PR情報
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