重要な提案(朝日記事に対して)
みなさんに、提案がある。
朝日新聞と医療者の泥仕合が続いている。日本の医療報道の質は全体的に低い。朝日だけが悪いわけではない。問題は、見当違いな記事を書くことそのものよりも、それに対する反省が全くないことである。手続き的に問題がないのだから、記事には問題がありません、などとはプロが絶対に口に出してはいけない言葉である。
読者が減り、新聞記者を整理し、広告収入が減少している朝日新聞社であるが、それでも読者数は700万人以上いる。苦情にも慣れっこで、医者が数十人集まって苦情を述べても、署名を集めても痛くもかゆくもないだろう。反省を促すのに失敗し、糾弾も通用しない。裁判の話も出ているようだが、そもそも僕は医療者がリベンジによって苦痛に対応することをスタイリッシュだとは考えない。裁判にたとえ勝ったとしても、それは局地戦に勝って大局を失うのと同じだと思う。
医療者は、対立構造を作ること無しに、スマートに勝たねばならない。戦わずして勝つのが一番のやり方だと思う。
そこで、提案。
1.今、朝日新聞を購読している人は、やめましょう。
ただし、700万人以上の購読者のいる朝日新聞の読者が少し減ったくらい、蚊が刺した程度のものである。だから、1はあくまで前振りである。
2.医療者は朝日新聞社からの取材依頼をすべて断りましょう。
こっちはインパクトがある。そもそも東大医科研の問題のきっかけは朝日新聞社の取材に医療者が安易に応じてしまったことにある。
医療者が一切協力しない医療記事は、すでに医療記事ではなくなる。朝日新聞社はインタビューをしても真摯な記事を書かないこと、それに対して反省しないことがよく理解できた。そんな新聞社の取材に応じる義理は僕らにはない。すべての医師会、学術団体、その他医療者が朝日新聞社の取材には応じず、記者会見にも呼ばなければ、朝日新聞社から医療記事は(まともなのは)消失する。情報発信は他社か自らウェブで行えばよい。マスメディアを使わないと情報発信できない時代はとうに終わっている。朝日をバッシングしてもルサンチマンが残るだけだ。必要なのはバッシングではなく、パッシングである。医療者がコミットせず、朝日から医療記事が消失すれば、変な記事を書いたと僕らが立腹する理由はなくなるんじゃないか。ま、僕だったらこういう戦い方をするけどね。
このブログ、もちろん転載してくれてよいです。
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