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[24679] 【ネタ】仮面ライダーは俺だあぁ!(仮面ライダー オリ主)
Name: かい◆0410c38e ID:b2ffc99a
Date: 2010/12/02 18:12

『ショッカー』

それは世界征服を企む悪の秘密結社。詳しい構成人数も、組織を束ねる首領と名乗る存在も解らない。全てが暗闇に包まれた闇の組織。
解っているのは、彼らは人智を超えた力を持っている事と、人間などよりも遥かに優れた身体能力を持つ怪人と呼ばれる異形達を駆使して破壊活動を行う事だけ。
その力の底は計り知れず、彼らの作戦が何もかも上手くいけば、今頃世界を自らの手中に治められたはずだった。その筈だった。あの忌まわしき存在が現れるまでは。
アンチショッカー同盟などと言う五月蠅い者達も居たが、それ以上に忌まわしき存在が彼らの前に立ちはだかったのだ。

『仮面ライダー』

本来はショッカーの手駒となる戦闘用改造人間だった。だが、その被験者『本郷 猛』は洗脳手術を施す前にショッカーのアジトから脱出。
たかが改造人間一人。幾ら我らの技術を用いたらと言って、さほど脅威にはならない筈だった。
だが、予想に反し仮面ライダーは次々とショッカーが送り込む怪人達を倒し、世界征服の障害となった。
その後に造られた、新たなる仮面ライダー『一文字 隼人』も洗脳手術を施す前に、本郷猛によって救い出されてしまった。
こうして彼らは、仮面ライダー1号、仮面ライダー2号としてショッカー最大の障害となったのだ。
たった二人とはいえ、その力は強大で既に何人のも怪人達が倒されてきた。何故、此処までの力を身につけたか知らないが、ならば此方も同じ力で対抗すればいい。

『ショッカーライダー』

仮面ライダーの設計図をもとに造り上げた同型の改造人間。仮面ライダーと同能力を持った改造人間をショッカーは六体も造り上げた。
これならアンチショッカー同盟などと言う五月蠅い存在も壊滅でき、仮面ライダーも倒せるはずだ。誰もがそう考えていた。
だが、結果は仮面ライダーを倒すどころか、逆に此方の六体のショッカーライダーが倒されてしまった。
何故だ!
同じ能力の宿した同型の改造人間。単純に100の力に同型の100の力をぶつければ、最低でも相討ちになるはずだ!
それが六体もいて、何故たった二人の仮面ライダーに勝てない!




何故!?何故!?何故!?何故!?何故!?何故!?




――ああ、そうか……


一つだけ違う物があった。ならばそれも同じにすればいい。
勝てないのなら、全てを同じようにすればいいのだ。
その技もその力もその姿形も能力全てを……その心すらも同じにすればいいのだ。










そこは奇妙な場所だった。円形状のドームの形になって、周りには何に使うのか解らない機械が陳列している。
何かの実験室にも見えるし、遊技場にも見える。
太陽の光が一切届かない、人工的な光に照らされた暗く不気味な場所。

「あぁっか……くぅか」

そんな奇妙場所に倒れ込む人型の影。人型と言っても、その姿を現すならこの言葉が似合う。

“異形”

人間とは違う、異形なる者。異形は体から赤い人の血とは違う、不気味な緑色の血を流していた。
呼吸も正常とは言えず、虫の息状態と言っても過言ではないほど弱っている。

「……………」

その異形の前に佇む、もう一つの影。体は深緑の様な色をし、何処となく昆虫を思わせる形。世間で仮面ライダーと呼ばれる存在が佇んでいた。
だが、これが本当に正義の味方、仮面ライダーなのかだろうか。
冷たく不気味な赤い目。体に放たれる冷たいオーラ。とてもではないが、『正義の味方』とはかけ離れた存在が異形を見下ろしていた。

「た、頼む……た、たた、助けて……くれ……」

異形は酷く掠れた声で命乞いをする。体は人間とは違うとはいえ、普通の思考を持つ人なら思わず手を差し伸ばすたくなる弱弱しい声。
だが、目の前に佇む『それ』がとった行動は救いなどではなかった。

「トォッ!」

『それ』は高く飛びあがる。高く高く飛びあがり、宙で体を回転させた後、異形目掛けて襲いかかった。

「ライダーァァキィックゥーーー!」

それは本来、正義の技。悪を滅し、弱き者たちを助けるための必殺技。しかし、『それ』が放つのはただの凶器。命を狩りとる破壊の技だった。

「ッ!!うぎゃああぁぁ~~~!!」

『それ』無慈悲に一切の容赦なく、異形の命を奪い去った。






『あっぱれな戦いぶり、とくと見せて貰った』

鷹を用いた様なレリーフ。その中央にランプが光り人の様な声が発せられる。周りに居る者達は、特に驚く事無くその声に耳を傾けていた。

「……………」

俯き無言のまま、レリーフの前に佇む一人の青年。かなり若く、大学生ぐらいの青年だが、何処となく虚無感を漂わせている。

『お前こそが、我らショッカーが誇る怪人と呼ぶに相応しい。その力、これからも我らがために存分に役立て「おい」……うん?』

低く力強さが無い声が青年から発せられ会話を遮った。そこで初めて青年が顔を上げて、レリーフを見つめた。
黒い髪に黒い目。体の特徴から察するに日本人のようだが、目に光は宿って無く何処となく存在が薄い印象を受ける。

「俺は……一体に何のためにに此処に居る?」

まるで、自分が何故存在してるのか解らないかのような質問。目や声にも力が宿らず、本当に虚無と言う言葉が似合う。

『ふっふっふっふっ……』

会話を遮り謝罪の一つもない無礼千万の青年の行動に、鷹のレリーフから発せられる声は咎める所か、嬉しそうに笑いだした。

『ふっふっふっ……お前が此処に存在する理由……それは我らショッカーのため、そして忌まわしき仮面ライダーを倒すためだ』

「仮面ライダーを……倒す」

青年は僅かに力が籠った声で呟いた。

『そうだ。もともと奴らは我らショッカーが造りだした改造人間だった。“ライダー”と言う名は、その改造人間の怪人名として与えられる筈だった名だ。
だが、奴らは我らショッカーを裏切っただけでなく、我らに楯突き幾度に渡って妨害をしてきた。お前は、その仮面ライダーを倒すために存在するのだ』

レリーフから発せられる声は、不思議と青年の耳に良く響き渡った。耳から脳へと侵入し、その存在に意味を与える。

『……この世に我らに牙を向くライダーはいらぬ。お前こそ我らショッカーが誇る真のライダー……“ネオ・ショッカーライダー”だッ!』

「……俺が……真のライダー」

自分に言い聞かせるように呟く。先程と違い、その声に僅かに力が宿っていた。

「イィー!」

そこに全身を黒い服に身を包んだ不気味な人影――ショッカーの戦闘員が何かを持って青年に近付いてきた。
金属の様な物質で、腕の形にピッタリと当てはまる形をしている。甲冑のようだが、何処となく違った。
それの先、ちょうど手の甲と重なる部分に穴があいている。何かを取り付けると言うより、拳銃などの銃口に近い。

『それは、お前専用の武器、ショットアーム。受け取るがよい』

「……………」

青年は無言のまま戦闘員からショットアームを受けとり、自分の右腕へとはめた。
感触を確かめるように、何度も手を開いたり閉じたりする。

『気にってくれたか?それとお前の持つ能力が合わされば、想像を絶する破壊力を生み出すはずだ』

鷹のレリーフから発せられる声は、今まより力強い声である命令を下す。

『行けッ!ネオ・ショッカーライダーよッ!その破壊力持って、宿敵仮面ライダーを抹殺するのだァッ!』

声に反応するかのように、青年は再び面を上げてレリーフを見つめる。その目には先程のような虚無感はただよって無く、力強い狂気が宿っていた。
青年は両足を揃え、右手を斜めに高らかに上げてその言葉を放った。







「イイィーーーッ!!」





あとがき

嘘はついてないよ。ちゃんと仮面ライダーのオリ主だったでしょ。

急に思いついたんで書いてみました。








[24679] 存在する理由
Name: かい◆0410c38e ID:2c0ac8bd
Date: 2010/12/04 20:57
存在する理由







初めて見たのは白い天井だった。
背中に感じる柔らかい感触。自分は何処かのベットに寝かされているようだ。何気なく体を動かそうとした。
しかし、自分の体はピクリとも動かなかった。脚も首も手も指先すら動かせなかった。
視線だけを周りに向ける。
視界の隅に移る扉。自分に繋がれている細いチューブのよう物。それ以外は何も見えなかった。
出来るだけ周りを見回したが、やはり何も無い殺風景な光景しか映らなかった。
暫くして、誰かが扉を開いて入ってきた。

「……う………く……」  「で………に……………ぞ……も」

入ってきたのは白い白衣の様な服に身を包んだ男と女だった。
何かを喋っているようだが、途切れ途切れにしか聞こえず会話の内容は解らなかった。話しかけようと思ったが、口も満足に動かす事は出来ない。
黙ってぼんやりと男達を眺めている事しかできなかった。そうこうして内に、男たちは外に出て行った。

「……………」

再び音が消えた。何も聞こえない。体を動かす事も口を開く事も出来ない。酷く退屈な時が過ぎていく。
目を瞑り闇の世界へと思考を落としていく。再び光が入る頃には、この退屈な光景が変化する事を願いながら。




次に目を覚ました時、自分の目に移ったのは再び白い天井だった。
何も変わらなかった事を残念に思いながら、視線を周りに向ける。やはり何も変わらない光景がそこにはあった。
体も動かせずに、ベットに縛り付けられている。

――ガチャ

扉が開いた音が聞こえた。視線を向けると、同じ白衣に身を包んだ男と女が自分を見下ろしている。
今度こそ口を開こうとしたが、縫い付けられたかのように口は開く事無く声を発する事も出来なかった。
変化が無い自分の体を残念に思ったが、男たちが話し始めたのを切っ掛けに自分の体の変化に気付いた。

「やはり、回復はまだ……」

声だ。声が前よりも鮮明に聞こえたのだ。漸く起こった変化に嬉しさを噛みしめながらも、耳を傾ける。

「ああ……恐らくだがこれから先も……ご遺族には?」

「それが、まだ……それに、被害者の方達の事もありますから」

「慎重に事を進めなければ不味いか……」

会話の内容は完璧に理解する事は出来なかったが、どうやらこの男たちは自分の体の事を心配してるらしい。
何故心配してるのか解らないが、体も声も出せないようではこいつらに全てを任せるしかない。
男たちが出ていったのを見届けた後、再び思考を闇の中に戻した。





暫くして解った事がある。どうやら、男たちは定期的に自分を見に来るようだ。
時には男一人の時もあれば、女一人の時もあった。共通してるのは、自分の体を心配するような単語だけだった。
それ以外は、特に変化は見られなかった。自分に話しかける訳でもなく、この空間に入って何かして出て行くだけ。
男が入ってきた。
やはり自分を見て、何かをしている。今日も変化がない光景に呆れながら横目で見ていた。
だが、今日は何時もと違う事が起こった。


――ガタガタッ!!


騒々しい音が聞こえてきた。今まで静かな音しか捉えられなかった自分にとっては迷惑と言うより新鮮な音だ。
音と共に、何人かの人間が怒鳴っている。互いに混ざり合い、何と言ってるのか聞き取れないが、どうやら扉の外には自分が見た男と女以外の人間が居るようだ。
ドタドタと騒がしい音が鳴り響く。徐々に聞こえてくる音は大きくなってきた。さらに大きくなってくると同時に、聞こえてくる人の声も鮮明に聞こえるようになってきた。
やがて、音は直ぐ近くで止まった。目に見えないが、扉の向こうに声が集中している。言い争うような、乱暴に声を発している。
どうやら、扉の前に音の原因が居るようだ。五月蠅い。初めは新鮮さを覚えたが、こんな近くで言い散らされるのは酷く不愉快だった。
音を遮ろうと眠りにつこうとする。あの闇の中だけが自分を癒してくて、時間を忘れさせてくれる唯一の場所。
その場所に行こうとした時、それは聞こえてきた。それは壁と突き抜け、自分の心に深々と突き刺さった。






『このッ!人殺しぃいぃッーーー!!』











あれからどれぐらいの時が経ったのか解らない。一年なのか、一日なのか、一時間なのか、時間の感覚など狂っていた。
考えるのは、あの一言。

――人殺しとは一体何なのか?

解らない、わからない、ワカラナイ……………………………


それからはあの五月蠅い音が聞こえる事は無く、何時までも静かな時が過ぎていった。
唯一耳が捉えたのは、何時もの男と女の声だけ。
それ以外は何も変わらない。声も、体も、風景も…………何も変わらない。何も何も変わらない日々が続く。





――俺は……一体何のために此処に居る?





自分自身に問いかけるが、答えが返ってくる事は無かった。
何時までも変わらない光景。何時までも変わらない自分。限られた音しか聞こえず、限られた空間に中に居るだけの自分。
何も思い出せない。何も解らない。何も知らない。一体自分は何のために此処に居るか、解らなかった。


――俺は……俺は……俺はッ!


目に僅かな光を宿し、白い天井を見上げながら恨むように、自分に問いかけるように咆哮を上げる。





――俺は……一体何のために存在しているッ!!









「あはっ♪良い素材はっけ~~~ん♪」















「……………」

男は目を覚ました。最初に違和感を覚えたのは、目に入る光景。
何時もの白い天井ではなく、光が灯った証明のような物が自分を差していた。次に可笑しいと思ったのは、周りの光景。
何も無かった筈の空間は、機械は溢れる光景に移り変わり、自分は硬い実験台のような物に寝かされていた。
男は黙って起き上がる。不思議と体が動かないとは思わなかった。動かせると根拠のない自信が何故かあった。
立ち上がり再び周りを見渡してみる。
知らない天井。知らない壁。知らない機械。知らない扉。知らない音。全てが知らない空間に自分は居た。

「あら、起きてたの?」

声が聞こえてきた。振る向くと、何時の間に居たのか一人の人が立っていた。
訳の解らないアクセサリーをあしらった派手な服。顔にも奇妙な化粧して、まるでピエロのようだ。その姿は陽気なようだが、何処となく不気味な印象を受ける。

「……誰だ……貴様は」

声が出せる事に疑問を抱く事無く、男は目の前の正体不明な物に問いかけた。

「もう。命の恩人にそんな口聞いちゃ駄目だよ~」

ピエロはその容姿にピッタリの軽い口調で近付いてきた。警戒するように睨むが特に気にした様子は無く、寧ろ嬉しそうに笑う姿はやはり不気味だ。

「初めまして。僕の名前はピエロって言うんだ。こう見えてもショッカー日本支部の大幹部なんだよ、凄いでしょ♪」

「そうだぞーしかも、博士はあの死神博士と同じ天才科学者の一人なんだぞ」

明るい声で自分の紹介をしてくるピエロの声に混じって、それよりも高い声が下から聞こえてきた。
見ると、先程まで気付かなかったがピエロの側には小さな子供くらいのピエロが居た。
帽子を被ってる事以外、目の前のピエロと何ら変わりない姿。生意気そうではあるが、子供のピエロ姿には愛嬌と言う物がある。
だが、男は目の前のピエロと名乗る男と同様、気味が悪い物を感じた。

「こらこら、ピエール。行き成り声を上げちゃ駄目じゃない。ビックリするでしょ」

「は~い。わっかりました~~」

ピエロを窘めた後、子供の方に手を乗せ男に前に出してきた。

「あはははっ♪ごめんね。行き成り会話を遮ぎっちゃって……この子はね、僕の一番の助手のピエールって言うんだ。仲良くしてね♪」

「ピエロ博士の一番の助手、ピエールだぞ~~~ま、どうしてもと言うなら仲良くしても良いぞ」

「こらピエール、何時も言ってるでしょ。そんな態度でじゃお友達は出来ないよって」

「え~~でもーー……」

「でもじゃないの。ほら、ちゃんとごめんなさいして」

「は~い……御免なさい」

男の前に立ち、頭を下げながら謝るピエール。ピエロはピエールの頭に手を乗せながら良い子良い子と撫で始めた。

「あ~~ん、も~う……ピエールは本当に良い子だね。よしよし♪」

「えへへへへっ……褒められちった♪」

「……おい」

ホームドラマのような暖かい空気をぶち破るかのように、低い声が響き渡った。
見ると男が二人睨みつけている。先程まで無表情だった顔も、僅かたが怒りの感情が浮かび上がっていた。

「ああ、ごめんごめん。……コホンっ……ようこそっ!ショッカーへ!」

ピエロは恭しく御辞儀をしながら歓迎の言葉を告げた。






「それじゃ、始めるよ。ネオ・ショッカーライダー君、準備はいい?」

「……ああ」

ピエロの合図により、俺の前に奇妙な化け物が出現した。


あのふざけた自己紹介の後、ピエロと名乗る男が色々と教えてくれた。
此処はショッカーと言う組織の本部らしい。何処かで聞いた名だったが、思い出せない。気になり問いかけた所、ショッカーと言うのは世界征服とう大義を目指す組織らしい。
世界征服の何処が大義なのか解らないが、そんな事はどうでもよかった。気になったのは、何故俺が此処に居るのか。
ピエロはその質問に、


『パッパラパ~~おめでとう!君は今日本日付けでショッカーの改造人間。ネオ・ショッカーライダーに選らばれたのだ~!イエーイ!』


何処からか取り出したクラッカーを鳴らしながら、髪吹雪をばら撒きながらそう言ってきた。
ふざけた野郎だが、今はこいつ以外に答えを持ってる奴は居ない。ガキの方も同じように喜んでやがるし。
暫くすると、飽きたのかピエロは再び説明に戻った。
詳しく聞くと、どうやら俺はこいつらショッカーの手によって、戦闘用改造人間に改造されたらしい。
その話を聞いた俺の気持ちは――どうでもよかった。

『あれれ?意外と反応薄いね?もっと、取り乱すのかと思ったのに』

俺の態度が意外だったのか、ピエロも不思議そうに訊いてきた。だが、俺にとっては本当にどうでもよかった。
そんな事より、俺が知りたかったのはただ一つ。

――俺は何のために此処に居るッ!!

あの閉鎖された空間でも感じた疑問。どれだけ時が経っても変わらなかった日々。
自分が何なのか、何のために生きてるのか解らない。蛇足的な日々を過ごしてきた。そんな俺は一体なんのために存在してるのだッ!

『な~んだ……そんな事を気にしてたの』

ピエロは不気味な笑みを張り付けながらこう言ってきた。


『簡単だよ。君はね……戦うために此処に居るんだよ♪』






「ライダァーキッィクウゥッー!」

「■■■■■■■ッ!」

蜘蛛の様な姿をした化け物は不気味な断末魔を上げながら死んだ。


――こいつらは一体何の為に生きている


「ライダァーパァーンチッ!」

「■■■■■■■ッ!」

カメレオンの様な男も同じように死んでいった。


――俺の実験テストだけのために造られたこいつらは何故存在してるのだ


「ライダァーきりもみシュートォッ!!」

「ッ!!」

蜂のような女は声を上げるまでもなく死んでいった。


――こいつらはこれで満足なのか


「ごおぉあぁああ!」


――ピエロは言った。俺の存在している理由は戦うためだと


「ぐぁあああぁあぁあ!」


――ならば何故ッ!?


「ぎゃあぁああぁ!」


――何故、戦ってもこの胸につかえている物が取り除かれないッ!


「ぁああああっぁあああ!」


――戦っても、戦っても、戦っても、何で俺は満たされない!


「があっがあぁっが!」


――何人もの化け物たちと戦ってきたのに、何故俺は此処に居る理由が解らないんだッ!






一体……一体何時になったら答えは見つかるんだッ!!








『あっぱれな戦いぶり、とくと見せて貰った』

鷹のような奇妙なレリーフから声が発せられる。こいつが、ショッカーを束ねる首領と言う奴らしい。
ちょうどいい。
褒め言葉などいらない。俺は自分が何故ここに居るのか知りたかった。

「俺は……一体に何のためにに此処に居る?」

あの怪人と呼ばれる化け物たちを倒しても、何も得られる物は無かった。ならば何故、俺は此処に居るのだ!

『ふっふっふっ……お前が此処に存在する理由……それは我らショッカーのため、そして忌まわしき仮面ライダーを倒すためだ』

仮面ライダー?
確か俺の元となった改造人間。何故だ?何故その響きに懐かしいさを感じる?
俺と同じ人間の改造人間。もしかして、そいつを倒せば答えは見つかるのか!?

『そうだ。もともと奴らは我らショッカーが造りだした改造人間だった。“ライダー”と言う名は、その改造人間の怪人名として与えられる筈だった名だ。
だが、奴らは我らショッカーを裏切っただけでなく、我らに楯突き幾度に渡って妨害をしてきた。お前は、その仮面ライダーを倒すために存在するのだ』

俺の存在理由……仮面ライダーを倒す事が俺は存在している理由……なのか

『……この世に我らに牙を向くライダーはいらぬ。お前こそ我らショッカーが誇る真のライダー……“ネオ・ショッカーライダー”だッ!』

そいつを倒せば、この胸の中につかえている物を取り除けるのか!?俺が存在している理由が……答えが見つかるのか!?

『行けッ!ネオ・ショッカーライダーよッ!その破壊力を持って、宿敵仮面ライダーを抹殺するのだァッ!』

良いだろう。そいつを倒す事によって、俺が……俺の答えが見つかるなら……見つかるなら、誰だろうと容赦しない!この力で倒すのみ!!








青年は向かう


自らの存在理由を確かめるため


青年は戦う


答えを見つけるために


青年は倒す


仮面ライダーを倒し、自らの存在を確固たるものにするために


















「頑張ってね。ネオ・ショッカーライダー君。うっふっふっふっふっふっ……」










あとがき

オリキャラについてはご了承ください。この話は、あくまでも自分が考えた『もしかしたら』の物語ですので。

ちなみに、名前の由来は、何故か明るい雰囲気の奴が敵の組織にいると酷く不気味に感じる。そこからヒントを得て。

死神博士→トランプのババに描かれている→同じババとして描かれているピエロから思いつきました。


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