暴力団:滞在拠点を規制…兵庫県が排除条例制定 全国初

2010年10月6日 11時43分 更新:10月7日 10時25分

 兵庫県議会は6日、指定暴力団山口組の直系組長が神戸市内のマンションなどで滞在拠点を運営することを禁止する「暴力団排除条例案」を全会一致で可決した。同様の条例を既に6府県が制定しているが、滞在拠点を規制するのは全国初。施行は来年4月。山口組の司忍(つかさしのぶ)(本名・篠田建市)・6代目組長=銃刀法違反罪で服役中=が来春、出所するのを前に、暴力団組織の締め出しを目指す。

 県警によると、山口組は6代目体制になって以降、組織の求心力維持のため、直系組長85人(6日現在)に対し神戸市灘区の総本部への日参を指示。県外に事務所を持つ組長は総本部へ通うための滞在拠点を同市内に相次いで開設した。これまでにマンションなど約30カ所が確認されており、県警や住民らが対応に頭を悩ませていた。

 条例では、滞在拠点を「暴力団幹部が暴力団の活動のために行う連絡または待機の用に供される施設」と定義し、暴力団事務所に準ずるものと位置付け。住宅地域や学校などの周囲200メートル以内で運営したり、乱暴な言動など「住民に不安を覚えさせる行為」を禁止する。中止命令に従わない場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科す。

 不動産業者などが、暴力団事務所として使われることを知りながら、不動産の売買や建設の契約を結ぶことなども禁じる。

 ◇「事件が起きてからでは遅い」

 「ようやく法規の網をかけることができる」

 神戸市長田区にある滞在拠点の排除運動に取り組む男性(70)は条例可決を喜んだ。

 この地区では08年11月、静岡県に本拠を置く直系組長が拠点を設けたことが判明。住民らは09年2月、組織を作って反対運動を展開した。

 男性によると、暴力団組員らは新型インフルエンザが流行した昨年6月ごろ、近くの幼稚園にマスクを配るなどしたという。男性は「『善良な市民』というポーズを取っているが、危険なことが起きてからでは遅い。条例の制定で暴追運動がさらに盛り上がり、既に開設され既得権益化している拠点の排除にもつながれば」と、条例の効果に期待した。

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