派遣労働者:24%減…金融危機、雇い止め影響 09年度

2010年10月6日 11時35分 更新:10月6日 12時29分

派遣労働者数の推移
派遣労働者数の推移

 厚生労働省は6日、派遣会社の事業報告に基づき、09年度に派遣労働者として働いた人は前年度から24.3%減り、301万9521人だったと発表した。企業側の使いやすさから増え続け、製造業への派遣が解禁された04年以降急激に数を伸ばしてきたが、08年秋のリーマン・ショックによる「派遣切り」や「雇い止め」、労働者派遣法改正を見込んだ他の雇用形態への移行などで急減したとみられ、制度変更に伴って集計方法が変わった04年度を除くと86年度の調査開始以来初の減少となった。

 労働者派遣を行った事業所の09年度の報告書を基に集計した。派遣を行った事業所数は7万1560カ所(前年度比7.7%増)。労働者数は、短期・長期の派遣契約を繰り返す常用型派遣が95万8765人(同18.5%減)、日雇い派遣を含めて仕事がある時だけ雇用される登録型派遣の登録者が206万756人(同26.7%減)だった。

 通常国会で継続審議となった労働者派遣法改正案に関し、政府は臨時国会での審議入りを求めているが、自民党などは過度の規制強化になるなどとして改正案に強硬に反対している。

 ただ、悪質な違法派遣は根強く残っているほか、労働基準法が適用されない個人請負や業務委託などの雇用形態も増えており、労働界からは、派遣法改正案を成立させ、さらに他の有期雇用関係の法整備を求める声が出ている。

 派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「景気が安定し、下請け企業を中心に再び派遣を受け入れる傾向にある。ここで規制しなければ、派遣切りが再燃する可能性もあり、成立させることが必要だ」と話した。【市川明代】

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