就寝中の三男(10)の首を絞めて殺害しようとしたとして殺人未遂罪に問われた岐阜市東鶉、無職、灘谷紀枝被告(44)の裁判員裁判の判決公判が2日、岐阜地裁であった。宮本聡裁判長は「犯行に至った経緯は浅はかで自己中心的」とした一方で「犯行は母親としての気持ちに基づくもので、被害者が憎かったのではない」などとして懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑・懲役5年)を言い渡した。
判決によると、灘谷被告は、7月22日午前10時半ごろ、借金苦から無理心中しようと、自宅で寝ていた三男の首にネクタイを巻き付けて殺害しようとし、全治1週間のけがをさせた。
判決は、灘谷被告が借金していることを家族に告げずに浪費していたことが犯行の背景にあったとし、「生活態度や性格を改善する必要がある」と指摘。保護観察期間の特別順守事項として、競馬・競輪場、パチンコ店などに出入りせず、就職活動をすることなどを求めた。【石山絵歩】
毎日新聞 2010年12月3日 地方版