【コラム】対北綱領を改めない韓国の与野党(下)

 政党の考えは、綱領を細かく見れば分かる。民主党の綱領第7条は、「わたしたちは兵力の効率化、武器の現代化、軍の構造の先進化を通じて、小さくとも強い軍隊を育成し、南北間の軍事的信頼形成によって軍備統制と相互軍縮を推進する」という内容だ。民主党の綱領は、南北和解時代を前提にした内容がぎっしりと詰まっている。南北和解のためには、北が核から手を引かなければならないが、それが不可能だということは明らかだ。ならば、対北和解を進める方法論を変えなければならない。最近、民主党からも「太陽政策で北朝鮮による核の放棄は難しい」「太陽政策は万能薬ではない」という話が出たがすぐに、「太陽政策を復活させなければならない」という強い反撃にさらされた。

 民主労働党は統一分野の綱領に、「韓半島が戦争危機の局面を迎えているのは、米国と日本が北朝鮮の生存権と自主権を保障しないところに由来している」と記載している。国防分野の綱領には、「政府予算の20%を占める防衛費は5%以下に減らし…」と書かれている。このような情勢認識と公約にのっとり、民労党は「北朝鮮糾弾決議案」の表決で棄権し、韓米合同軍事演習に対し「非常に懸念される」と述べた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の精神を受け継ぐとされる国民参与党の綱領には、「軍の服務期間を18カ月以下に短縮する」という内容が含まれている。いずれも、北朝鮮から褒められるような内容ばかりだ。

 自由民主主義の守護で先頭に立つことを目指す自由先進党の綱領には、そもそも国防分野が存在しないことから、信頼性に欠ける。ハンナラ党は、綱領第17条に「強固な安全保障態勢の確立」という項目を設けているが、これは言葉だけに過ぎないということが証明された。

 政党や政党の候補らが、2012年の総選挙や大統領選挙で票を集めようとした際には、しっかり尋ねてみなければならない。「哨戒艦『天安』沈没や延坪島砲撃事件の後、党の対北綱領をどう改めたのか」と。そのためには、韓国国民が今日の恥辱を忘れてはならない。

朱庸中(チュ・ヨンジュン)論説委員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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