【コラム】対北綱領を改めない韓国の与野党(上)

 米空母ジョージ・ワシントンを前面に押し立てた韓米合同軍事演習が1日に終了した。延坪島砲撃でひどい目に遭っただけに、韓国軍は今後も警戒を緩めず、万全の態勢を取る構えだが、民間は平時の雰囲気だ。大統領も、一度演説を行った後、通常の日程に戻った。北朝鮮は、「南(韓国)が何らかの仕打ちをしてくるように熱くなったが、今回もすぐに静かになった」と思うだろう。北朝鮮は今年3月末、哨戒艦「天安」沈没事件の後も、おそらく同じ判断を下したはずだ。そこで再び「殴って逃げる」行動に出て、またも成功した。

 どれほど心が痛んでも、韓国から先に攻撃するのは難しい一方、ただひたすら拳を握っているわけにもいかない。日常もまた重要だ。ただし、韓国がこんな目に遭っても、再び「延坪島砲撃事件はいつのことか」というようになれば、北朝鮮は遠からずして新たな方法で再び挑発してくるだろう。北朝鮮による新たな挑発を防ぎ、韓半島(朝鮮半島)の平和を守るためには、韓国がこれまでとは全く異なる姿を見せなければならない。それには、軍隊だけが変われば良いというわけではない。

 軍隊に劣らず大きな穴が開いているのが、政治の世界だ。与野党は西海(黄海)5島の戦力補強のため、3105億ウォン(約227億円)の予算を承認したが、果たしてそれでやるべきことを尽くしたと言えるのか。今年になって北朝鮮は、核を決して放棄しないという意志、自分たちの戦略的必要によっていつでも火遊びができるという事実を繰り返し見せつけた。ならば今後は、北朝鮮に対処するやり方を変えなければならない。それが、与野党の仕事だ。ところが与野党は、北朝鮮に対するバラ色の幻想に基づいた対北政策に手を加えるそぶりすら見せようとしない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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