送られてきたメールの内容は、
・GPフローレンスの件は過去の警告履歴を調査した結果意図的と判断。
・2001年に悪質な行為により出場停止を受けている事も考慮。
・18ヶ月公認トーナメント参加とジャッジが出来ません。
との事でした。
最初はもの凄い衝撃を受けました。正直今後トーナメントに出れない辛さより、今回この重い裁定が出た事に心がおかしくなりました。自分なりに、フェアプレイを心がけながらやってきた上で、こうなるのかと。
そして、その部分に関して考えれば考える程、分かってきました。
フェアプレイへの意識より、勝つ事に対する執着のほうが圧倒的に高くなってしまっていたのが大きな原因だと思います。プロプレーヤーたるもの、勝つ事に対する執着心は高く持つべきですが、フェアプレイ意識と差がありすぎたのではないかと思い、段々と考えがまとまっていきました。
これは、警告の累積から今回の失格、出場停止に至るまでの総合的な反省から得たものであり、今後トーナメントに出続ける皆さんの為にもなると思うのできちんと記しておきます。
「勝ちへの執着心の強さ」−「フェアプレイ意識の強さ」=「警告、失格の出やすさ」
この式から出る解が大きかった事が、プレイが遅かった理由であり、沢山警告をもらってしまったり、今回失格が出てしまった理由だと思います。勝ちへの執着が非常に強いのなら、それと同じぐらいフェアプレイの意識を高く持たなければ駄目だった。
勝ちへの探求は常々してきたけど、フェアプレイという部分に関してはある程度のところで成長が止まってしまっていたように思います。プロレベル、競技レベルのトーナメントでプレイする数が増えれば増える程、勝って注目されればされる程、よりフェアなプレイが要求されるというのが本質なのでしょう。
とは言っても、勝ち意識に対してのフェア意識を同じぐらい持つというのは数値化がしにくいので、「フェアプレイへの探求を続けていく事こそが大事であった」とまとめさせていただきます。
僕はそれを途中から出来てなかったからこそ最悪の結果が出てしまったし、皆さんが試合に出ていく上では、それがしっかり出来ていればきっと大丈夫だろうと思います。
フェアプレイについての探求。もっと仲間とディスカッションしたり、もっとルールの隅々まで理解したり、色々できたはず。それが出来ていなかったからこうなったという事を切に受け止め、今後の人生に生かしていこうと思います。
18ヶ月もの出場停止が出ました。そして僕はこの事実自体はすぐ受け入れる事が出来ました。出場停止に関しては、裁定基準は公開されていないものですが、その中で、プロプレーヤーという活動を好んでやってきたのは自分なので、前回の失格と同じく、決定された事に従います。
殿堂取り消しに関しても、追ってメールが来ました。今まで頑張ってきて、それが評価されて喜んでいただけに非常に残念ですが、こうなってしまったからには適切な処置だと思いました。
失格、出場停止、殿堂取り消し。そして、公言していたPOY獲得ならず。
これらの件について、応援して下さっていた方々や落胆させてしまった方々、様々なご迷惑をおかけしてしまった方々はじめ、
マジックに関わる全ての方々に、改めて深くお詫び申し上げます。
自身のこれからについても少しお話しさせて下さい。
事後各所で、本当に沢山の人が応援や励ましのメール、コメント等を下さりました。
本当に助かりました、ありがとうございました。
こんな状況になってしまったのに、こんなにも自分の事を気にかけてくれる人がいるんだと驚きました。
嬉しかったです。しかし、嬉しさと同時に申し訳ない気持ちもまた、高まりました。
皆さんの気持ちに対して僕が出来る事。
それはやはりマジックに貢献していく事だと思っています。
マジックに貢献する、マジック界のハッピー拡大に尽力していくという強い思いでやってきたからこそ、こんな時、優しい言葉をかけてもらえたと思うし、厳しいお言葉も頂けました。それら全てのお陰で僕は無事、前に進んでいけそうです。
それでは、具体的にどうして行くか。
これからは、練習、試合、移動、今までプロプレーヤーとして使っていた膨大な時間が空きます。
まずは、マジックへの強い想いからの一番の産物であるCARDSHOP晴れる屋。ここには今まで以上に力を入れて頑張っていきます。今では同じ想いを持った仲間も沢山いるし、必要としてくれる人が沢山いる以上、一番やるべき事なのは間違いありません。お客さんの笑顔が更に増えていくように、頑張っていきたい。スタッフとして店頭に立つ事も増えそうです。
それから、長期間トーナメントマジックばかりをやってきた分、今まで時間がなくて全然出来てなかったカジュアルマジックに沢山触れてみたいと思っています。キューブドラフトとか、ウィンストンドラフトとか、オリジナルルールの遊び方とか、そういったものです。カジュアルに「楽しむ」事を、探求して伝えていくのもまた面白そう。
それと、何人かに言って頂けたのですが、1年半後プロとして復活し、また活躍というのは残念ながら今のところはまだ全く考えられません。裁定を受け入れる事はできても、精神的ショックは大きいです。この機会に、1年半ゆっくり考えてみる事にします。また、他にもマジック内で出来る事、マジック外の事も含めて色んな可能性を探してみようと思ってます。
自分の頭の中にある「これから」について書きました。
前回のエントリから1年半のプロ活動停止と殿堂取り消しが加わったのにも関わらず、結局やりたい事はマジック関係の事ばっかりみたいです。マジックのお陰で色んな事を学んで来れたから、できる事は他にも沢山あるはずなのに。
でも、やりたい事が分かったなら後はやるだけですよね。
少なくとも僕はそう言ってやってきました。
この先、今回の件が結果として嬉しい出来事であったと早く皆さんに言えるよう頑張っていきます。
改めて、マジック人齋藤友晴を宜しくお願い致します。
それでは引き続き、皆さんとマジックの更なるハッピーを願っております。
2010年12月5日 齋藤友晴
テーマ:Magic:The Gathering - ジャンル:ゲーム