2010年12月5日(日)

来季へ明確な覚悟を 浦和、リーグ最終戦

 
人文字でハートの10を作り、退団するポンテ選手を送る浦和サポーター=4日午後、埼玉スタジアム

 フィンケ体制2年間の総決算は苦いものになった。Jリーグ1部(J1)最終節に臨んだ浦和は、J1残留へ必死の神戸に0―4で大敗。既に今季限りでチームを去ることが決まっているフィンケ監督やコーチ陣、ポンテ選手の花道を飾れず、4万5941人が詰め掛けた埼玉スタジアムはため息と落胆に包まれた。

 苦しかった1年を象徴する一戦だった。序盤からサイドを起点にゴール前まで攻め上がるものの、決定機をつくれず、逆に前半31分に失点。気を取り直して臨んだ後半は守備が崩壊し、まるで悪夢のような3失点を喫して敗れた。

 新しいレッズスタイルの構築を掲げ、ドイツからフィンケ監督がやってきて2年。昨季はリーグ6位。今季も10位と、タイトルを争うどころか中位に沈み、契約満了に伴って退任という形になった。

 “フィンケ改革”に対して、サポーターの思いもさまざまだ。さいたま市の会社員伊藤裕之さん(31)は「フィンケ監督が2年目で上積みができなかった。順位、内容を含めて満足していない。解任は仕方ない」。

 狭山市の会田篤史さん(36)は退任に反対の立場だ。「サッカーが良くなり、つなげるようになってきた。あとは人の問題。若い選手が育ってくれるのが一番。そういう意味では、フィンケ監督は仕事をした」と評価する。

 試合後のセレモニーで、フィンケ監督とポンテ選手があいさつに立つと、サポーターは息をのんで見守り、最後には温かい拍手を送った。

 一家で観戦に訪れた狩谷正さん(44)は「ここ何年かにないわくわく感があった。これをベースに、見ていて楽しいサッカーをやってほしい」。娘の亜美さん(13)は「ポンテが最後だから行きたかった。いなくなるのは寂しい」と複雑そう。「今季は波があった」とちょっぴり辛口なのは弟の駿くん(11)だ。

 橋本光夫代表、柱谷幸一ゼネラルマネジャーはセレモニーに姿を見せなかった。サポーターが掲げた横断幕には「今やるべきことは来季への覚悟を明確に示すこと」とのメッセージ。来季へ向け、このまま改革を推し進めるのか、新たな道を模索するのか。日本一熱いレッズサポーターは、愛するクラブの行く末を辛抱強く見守っている。

 

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