石川のニュース 【12月5日03時11分更新】

ため池侵入、水門開放 小松・本江町、悪質な釣り人横行

水量を調整するための水門が開けられていたため池=小松市本江町
 小松市本江町の農業用ため池「真如(しんにょ)堤」で4日までに、釣り人の侵入を防 ぐための有刺鉄線が破壊され、水門が開けられていることが確認された。水量は平年同時 期の4分の1ほどに減少し、来年の稲作に影響の出る可能性があるため、同市本江町生産 組合は5日、鉄線の代わりに鉄板で侵入路をふさぎ、悪質な釣り人排除の徹底を図る。

 同堤は農業用に造成された町内最大のため池で、広さ約6千平方メートル、深さ約5メ ートル。森林火災時の消火活動にも使用される。

 同組合によると、10年ほど前に何者かがブラックバスやブルーギルなどの外来魚を放 流し、その後、ブラックバス釣りの穴場ポイントとして釣り情報誌に掲載されたことから 、県内をはじめ関西方面から釣り人が訪れるようになったという。

 次第にルールを守らない釣り人が増え、魚を釣りやすくするために勝手に水を抜いたり 、ごみの投棄が相次ぐようになったことから、組合は7年前にため池へつながる道路に有 刺鉄線を設置して立ち入り禁止とした。

 それでも無断侵入する釣り人は後を絶たず、5年前には立ち入り禁止のため池に、許可 なく侵入した疑いで男3人が書類送検されている。

 同組合は鉄板で侵入を防ぐほか、小松署と連携して巡視回数を増やし警戒を強化する。 北市裕嗣組合長は「稲作に影響があり、事故の危険もある。ため池での釣りは絶対にやめ てほしい」と話している。


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