サッカー・Jリーグ2部(J2)の大分トリニータは4日、大分市横尾の大分銀行ドームで今季最終戦を戦い、横浜FCに2-2と引き分けた。チームは資金難で存続の危機がささやかれているが、駆け付けた約1万2千人のサポーターは最後まで声援を送っていた。
トリニータは前半、一進一退の戦いを続けていたが、27分に土岐田洸平選手がヘディングで先制。観客席は一気にわいた。後半は防戦一方となり逆転を許したが、終了間際の44分、東慶悟選手が同点弾を決め引き分けに持ち込んだ。
チームは多額の借入金を抱えたまま、新たな公的資金の融資を受けるなど、厳しい経営状況が続いている。観客数も低迷しており、杵築市の会社員工藤大輔さん(31)は「若手を育ててJ1復帰を。そうすればサポーターも戻ってくる」と指摘。大分市の金池小4年、野尻晃生君(10)は「お金がなくて大変だろうけどチームをなくさないで」と訴えた。
試合後、青野浩志社長は「2、3年かけてチームを作り、財政を立て直す」と、青一色のスタンドに向かって決意表明。選手はグラウンドを一周し、サポーターに来季の飛躍を誓った。
=2010/12/05付 西日本新聞朝刊=