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デーブ・スペクターの〝人生〟を変えた東スポ1面

2010年11月21日
エンタメ

関連キーワード :デーブ・スペクター東スポ50周年

【東スポ創刊50周年特別企画「時空自在」】つい先日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」に出演中、司会者の宮根誠司(47)に「デーブは埼玉生まれやからねぇ」と突っ込まれたデーブ・スペクター氏(年齢不詳)。「今でも“埼玉生まれ”はボクのキャッチフレーズなんですよ」と笑う。故レーガン元大統領やオスカー俳優ロビン・ウィリアムスなど数多くの有名人を輩出した米イリノイ州シカゴ出身なのに、なぜか埼玉。発端は1992年7月9日付東スポが1面で報じた「デーブ埼玉出身か」の記事だった。デーブ自身が、当時の「大ショック」を初めて明かす。

駅売店でビックリ「デーブ埼玉生まれの日本人だ」

 あのころ新宿のホテルに住んでたボクは、新宿駅の地下のキヨスクで東スポの見出しを見ちゃったんです。ただ「埼玉」の文字は見えなくて「デーブ」の名前だけ…。デーブ大久保がまだ有名になる前だったから「これって、ボク!?」ってビックリ。
 その時、頭に浮かんだのは——あれ〜っ、どっかで道にガム吐き出したの見られたかなぁ? それともテレビ局のトイレで流すの忘れたことがあったっけ? いろいろ考えたんだけど思い当たらない。え〜い!!って覚悟して、キヨスクのオバちゃんに顔を見られないように横向きながら「東スポ!」と言って、おカネ出して買ったんです。
 オバちゃんから東スポを受け取って、チラって見たら「埼玉生まれ」だって。ええ〜っ!? 何で埼玉?? またビックリですよ。
 とにかく中身が読みたくて、早歩きでホテルへ帰って部屋で読んだ。そしたら何人かの関係者のコメントで「確かに聞いたことがある」「うん、言ってた」みたいな話になってて。
 どうしよう。そうだ、母親に電話だ。聞いてみよう。アレ? でも母親はシカゴから出たことないはずなのに、何で日本の埼玉なんだ? 一瞬、動揺してワケわかんなくなったけど、ちょっと落ち着いたら、そうかぁ、東スポなんだよって納得した。
 それにしても「埼玉」ってのが、とってもおかしくて笑っちゃいましたよ。これが、神奈川とか千葉じゃダメ。茨城ならちょっといいけど、やっぱり「埼玉」がいいんですよね〜。 それでも突然、埼玉生まれにされたボクとしては、なぜそうなったのか知りたくて、いろいろリサーチしました。「ね〜、東スポにボクが埼玉生まれって出てたん
だけど、誰が言ってたかわからない?」って。しばらくして、わかったんです。高田文夫さんが、たけしさんたちに言いふらしたんだって。なんか、少しうれしかった。それに、東スポはやっぱりちゃんと取材していたんですよ。
 でも、すごいのはあれから20年近くたっているのに、宮根さんがまだそのネタで突っ込んでくること。驚いたのは、いつの間にか「上尾第二小学校卒業」になってたって聞いた時。どうやらボクが生まれたのは、今のさいたま市じゃなくて上尾市だったみたい。言われてみれば、確かに「第一」より「第二」の方が、リアルに聞こえる。
 そのころボクも少し有名になってて、大学の学園祭に呼ばれるようになってたんですよ。うれしいんだけど、大学生にどうやってウケたらいいか分からなくって考えてたら、アイデアが浮かんだ。そうだ! 東スポのあの1面を引き伸ばして大きなパネルにして、いきなり見せて「埼玉生まれのデーブ・スペクターです」ってやれば笑ってもらえるかもしれないって。
 実際やったら、大ウケして大成功。その年だけじゃなく、初めて行く大学では必ずパネルを出して「埼玉生まれの——」ってやってましたよ。後で大学の人に「デーブさんが来てくれて、みんな大喜びでした」って言われて、本当に東スポのおかげです。


「極限まで書ける東スポは世界で一つだけの新聞」
<デーブ流東スポ分析>埼玉の1面が出る前も「東スポって面白い」とは思っていたけど、その後は中毒状態。毎日見ないと気が済まない。ボクみたいに、一度でも1面に取り上げられたことがある人なら、芸能人でもスポーツ選手でも見ないと落ち着かないんじゃないかな? だって突然どんなことが書かれているかって、いつも思っているから。
 これは、イギリスやアメリカのタブロイド紙みたいにスリリングな話。日本に長くいて気づいたんだけど、アメリカもイギリスも言論の自由が保障されているから、基本的には何を書いてもOK。でも実は、日本は微妙に違うよね。
 例えば、イギリスでは王室スキャンダルも平気で書いちゃう。これが日本だと皇室に当たるけど、新聞やテレビではできないよね。芸能人でもそう。アメリカはどんな大物相手でもパパラッチしちゃうし記事にもしちゃう。でも、日本では所属事務所の力関係とか、ドラマに出てるからとか、いろいろ制約があったり自主規制するんですよ。
 そんな中、東スポだけは違うんです。J系のタレントでも平気。そこが大きな魅力です。それにテレビ局なんかでボクが危ない話をするとスタッフが「デーブさん。それヤバいっすよ、東スポじゃないんだから」とか「それって東スポネタですよ」って言い方をするんです。つまり、東スポがギリギリのラインっていうこと。極限状態の中で作っているのが東スポ。ほかの媒体に出ないことが記事になっているんだから、面白くないわけがない。そう考えると、世界で一つだけの新聞ですよ。

(2010年11月14日付)

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