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【朝鮮半島ウオッチ】延坪砲撃事件、焦点は韓国の「怒りの温度」〜試される李明博政権の対北政策 (3/3ページ)

2010.12.4 18:00
このニュースのトピックス朝鮮半島ウオッチ
2日、南北の非武装地帯で警備に当る韓国兵(ロイター)2日、南北の非武装地帯で警備に当る韓国兵(ロイター)

 「大統領がキチンと事態を認識したなら、(李明博政権の)対北政策は変わるだろうが、問題は、行動が伴うかどうかだ」と指摘したのは、韓国の情報機関出身で90年代の南北高位級会談の代表を務めた李東馥(イトンボク)氏だった。

 行動とは、軍事報復や南北交流事業の金剛山観光開発、開城工業団地(121社、約650人が北朝鮮側の開城に現在も常駐)からの撤退を指している。

 李相●(=くさかんむりに勲の旧字体)(イサンフン)元国防長官は「北朝鮮が(韓国を)攻撃できる理由は4つある。(1)中国を信じている(2)核保有(3)韓国国内の(南北対話を支持する)左派を信じている(4)開城工団という人質−のためだ。挑発は今後も続き、長期化の可能性が高い」と分析した。

“切り札“はジョーカーだった…

 金大中、盧武鉉政権で進んだ南北支援、交流10年で韓国は約69億ドル(約5800億円)相当の対北物資支援を行い、このほか民間レベルでは推定10億ドル(約830億円)とされる資金が流れたといわれている。

 北朝鮮のコートを脱がせる太陽政策の“切り札”だったのが、財閥、現代グループが主導した金剛山観光であり、現代と政府が協力して民間企業を誘致した開城工団だった。

 金剛山観光は韓国人射殺事件(2008年7月)で中断された。現代の投資は風前のともしびだ。開城工団は稼働中だが、延坪砲撃事件以後は韓国側からの物資搬入が止まり、事実上の幽閉状態にある。切り札はジョーカーで今は北朝鮮に握られているのだ。

 「金剛山も開城も“金正日の武器”になっている。廃止という対北政策の決定的な転換を韓国が決断すれば、北朝鮮は現金収入の道は閉ざされるが、韓国政府は莫大(ばくだい)な損害と異常な緊張に耐えなければならなくなる」と専門家はみる。

 いま、残る任期で李政権が切り札を取り戻せる可能性は限りなく低い。

このニュースの写真

2日、南北の非武装地帯で警備に当る韓国兵(ロイター)
2日、ソウルで行われた北朝鮮に対する抗議集会で砲撃事件を非難する市民ら(ロイター)
2日、韓国・延坪島へ戻り、涙を流す島民(AP)
11月30日、米韓軍事演習に参加した米原子力空母ジョージ・ワシントン(AP)
29日、青瓦台で記者会見する李明博大統領(ロイター)
11月29日、韓国の李明博大統領のテレビ画像をソウル駅で見る市民(ロイター)

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