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きょうのコラム「時鐘」 2010年12月5日
中国・広州アジア大会から帰った本社記者によると、領土を巡る険悪な空気はさほど感じられず、日本勢にも結構声援があったという
もっとも、お山の大将を気取る国だから、応援の主役は中国で、よその国は引き立て役。脇役の分際で日本が優勝すると、観客は途端に不機嫌になる始末。露骨なひいきもあってか、メダル争いで日本は振るわなかった サッカーW杯誘致合戦も、金持ち王国の引き立て役で終わった。大相撲は外国人力士の天下が続き、時折、日本人が脇役として顔を出す。主役を生かす脇役も大事だから、声援も受けるし、重んじられる 大相撲の大関は、2場所続けて負け越さないと地位を失わない。1度負け越すと「カド番」となり、奮起を促される。それで白星を重ねて主役になる道があり、カド番の重圧に耐えられずに地位を失う脇役もいる 低い支持率、失言、問責決議と黒星を連ねても、カド番のない世界がある。だから、奮起も重圧の気配も伝わらない。スポーツ界の不振まで政治の責任ではないが、あの人たちが列島の闘志をかき立てているかどうかは、すこぶる怪しい。 |