2010年12月4日4時30分
DVDやブルーレイなどに収録されている市販の映画やテレビドラマなどの映像ソフトをコピー(複製)する行為は、家庭内であっても違法になりそうだ。暗号化技術を使って保護されているソフトが対象で、保護を破るプログラムの製造や配布も禁止される。ネット上にあふれる「海賊版」を抑制するのが狙い。文化庁が3日、方針を固めた。
文化審議会の小委員会のワーキングチームが報告書をまとめた。早ければ、来年の通常国会に著作権法改正案を提出する。複製行為については罰則は設けない。
映像ソフトを保護する技術は複数あるが、文化庁によると、現在は、情報を「暗号化」するタイプが主流という。この技術を破るプログラムがネット上などで公開され、指南本も市販されており、一部の人はパソコンで映像ソフトを複製している。
現在の著作権法は、こうしたプログラムを製造・配布したり、このプログラムを使って家庭内で複製したりすることを規制していない。複製された映像がファイル交換ソフトなどでネット上に出回り、映画業界が問題視してきた。
1999年の同法改正では、「信号」を付与してコピーを禁止する技術を破る行為を、規制の対象にした。当時、「暗号化」技術については、複製そのものを防ぐものではないとみなして、規制しなかった。
文化庁は、小委員会で検討してきた、違法な海賊版ゲームソフトを使えるようにする装置「マジコン」の製造を禁止するのとセットで、著作権法を改正する方針だ。(赤田康和)