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性描写漫画規制「自由な表現に影響」「親の願い反映」

2010年12月4日

 過激な性描写のある漫画などを子どもに販売できないよう規制する、都青少年健全育成条例改正案に対し、賛否双方の団体が3日、記者会見や要望書の提出などでそれぞれの主張を展開した。

 弁護士や研究者らでつくる「都青少年健全育成条例改正を考える会」は同日、都庁で会見し「漫画家らの自由な表現に影響を与えるのは明らか」と改正案を批判。同会共同代表の藤本由香里・明治大准教授は改正案が規制対象とする「違法な性行為の描写」について「様々な時代や国の設定で描かれる漫画に、現実の刑罰法規をあてはめるのは無理がある」と指摘した。

 全国約2400の図書館が加入する日本図書館協会も同日、「行政は表現の規制に対して抑制的であるべきだ」として、都議会での慎重な審議を求める要請文を石原慎太郎知事と和田宗春都議会議長に送付した。

 一方、都小学校PTA協議会など、都内の児童・生徒の保護者らでつくる5団体は同日、都庁で石原知事に会い、条例の早期改正を求めた。要望書では「(改正案は)子どもの性的な価値観がゆがめられないようにしたいという、親の当たり前の願いを反映したもの」と主張。「表現の自由を侵す恐れがある」との批判には「主張にくみし、子どもの健全な成長を妨げることを許してはいけない」と反論した。

 石原知事は「(規制対象の漫画などを)是とするのは100人のうち2、3人だろう。現状は野放図になりすぎている」と述べた。

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