李大統領「北朝鮮住民が肯定的に変化している」(上)

北朝鮮の体制が底辺から動揺する可能性を示唆

 李明博(イ・ミョンバク)大統領は3日、「歴史上、国民の変化に反対できるような、いかなる権力も存在しなかった」と述べ、北朝鮮住民により金正日(キム・ジョンイル)体制が動揺する可能性があることを示唆した。

 李大統領はこの日、大統領府で行われた社会統合委員会第4次定期会議に出席し、「わたしは北朝鮮に肯定的な変化が起きていると思う」と述べた上で、上記の発言を行った。李大統領の発言は、社会統合委員たちから政治、経済、社会など各分野における討論結果について報告を受けた際に出たものだ。

 李大統領はまず、「わたしは北朝鮮に肯定的な変化が存在すると思っている」と前置きした上で、「過去の北朝鮮は、鉄壁のように閉ざされた社会だった。住民たちは、“南(韓国)には乞食しかいない”と聞かされ、哀れんでいたそうだ。しかし(今や)北朝鮮でも畑を耕すことができ、反対・賛成のいずれにしても、通りには市場が開かれている。多くの脱北者もいる」「注目すべき点は、指導者の変化よりも、(このような)住民たちの変化だ。歴史上、国民の変化に反対できるような、いかなる権力も存在しなかった」と述べた。

 李大統領は11月29日に発表した談話でも、「これまでわれわれは北朝鮮も変化するという一抹の期待を持ちつつ、度重なる挑発にも忍耐を重ねてきた。しかし今や北朝鮮に対し、自ら軍事的な冒険主義や核兵器の放棄に乗り出すことは期待できないことが分かった」と語っている。3日の発言とこの談話の双方から推測すると、李大統領の考えは、「これ以上、北朝鮮政権の変化には期待せず、住民によって変化がもたらされざるを得ない」という意味合いに解釈することができる。

 大統領府の金姫廷(キム・ヒジョン)報道官は、「対北朝鮮政策の舵取りを、北朝鮮の政権交代を目指す方向へと転換するのか」という質問に対し、「絶対にそのような意味合いではない」としながらも、「解釈の仕方は聞く方が決めればよい。きょうの発言の中では、その点を最も重要な部分として伝えた」とも述べた。「決して無意味な発言ではない」ということだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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